小さい頃からサッカーを始めて、チームでもそこそこの上手さになっていたけど、
「あれ?なんか動きが変じゃない?」
「なんでボールを蹴る時に手がそうなるの?」
みたいに感じたことのある方もいるのではないでしょうか。
そのような状態は、小さな技術だけでみると良いのですが大きな動き、ダイナミックなプレーになってくると途端にボールに力が伝わらない事に気づきます。
そうなってからそのような状態を直すのはとても大変なことなので、小さいうちからサッカーを習わせる・教える家庭ではよく気をつけてください。
今回はなぜそのような子供が出てくるのか解説したと思います。
箸の使い方のように『身体の使い方』も学ぶ必要がある

まずはじめに何故ぎこちない動作になってしまうのか、考えてみましょう。
よくある例として、
「ボールを扱う際に、手が緊張していて変な力の入り方をしてしまっている」や
「ボールの蹴り方がなんかおかしい」
というのがありますよね。
これらの原因は『目的』が先にきて、その『方法』が分かっていないことにあります。
もっとわかりやすく言うと『やりたいプレー』のための『身体の動かし方』を知らない、またはできないためになります。
例えば箸を初めて持つ時に、
「この箸で豆を食べなさい」と言われたらどうでしょう。
箸の持ち方はおかしくなって、なかなか掴みづらいはずです。
それだけでなくうどんや丼ものなど、食べる物の形状が変わった際にも苦労するでしょう。
また箸の持ち方程度であれば、その後の苦労も限定的ですが、ことサッカーについてとなってしまうと体の歪み・怪我に繋がる可能性もありえます。
そのためしっかりと段階的にサッカーを練習する必要があるのです。
親が成長を急ぐと『ぎこちない動き』が生まれる

この問題を更に深彫して考えます。
なぜ動作ができないうちに教え込んでしまうのでしょうか。
それは「早く上手くなってほしい」という願望からだと考えられます。
身体の使い方が分らない子供は
「足首を固定してボールを蹴りましょう!」
「ボールの真下に足の甲が当たるようにリフティングしましょう!」
と言われても、そもそもボールを蹴ることに慣れていないため、混乱してしまいます。
慣れていない動作がいくつも追加され、頭の処理能力が追いつかないのです。
これを分解して考えると、
①足首を固定したまま
②足を振り
③ボールに当てる
といった少なく見積もっても3つのタスクを同時に課していることになりますからね。
まずは『足をボールに当てる』だけでも良いでしょう。
動作の習得

次に人が動作を習得していく過程を考えましょう。
サッカーを始めて数年の子供を考える上で知っておくべき動作の習得過程は以下の3つです。
本能的な成長
これは赤ちゃんが飲んだり、食べたり、ハイハイをしたり、とするものです。
誰が教えるでもなく自らはじめ、上達していきます。
サッカーがこのような動作であれば教える必要はありませんよね。
他人の真似
これは大人でも子供でも同じですが、やはり他人を真似して上達するというのは動作習得の基本と言えるはずです。
良い選手のプレーを見て、そのプレーを真似するだけでも新たなプレーの引き出しを増やすことになりますし、その良いイメージが有るのと無いのとでは実際の動きの質もだいぶと変わってきます。
余談ではありますが、このような動作習得プロセスを考えて我々指導者はデモンストレーションを用いたトレーニングを構成します。
経験則による最適化
これは動作がスムーズに無駄なく行えるようになる過程とも言えます。
走り方一つにしてもそうですが、只々走ることを求められている小学生のフォームはバラバラで無駄だらけですよね。
しかしその中でも、少し教えただけでかなり変わることがあります。
それは『心地の良い体の動かし方』を体験したときです。
『楽な動かし方』とも言えるでしょう。
これを体験した時に頭が「この動かし方のほうがなんか楽だな」と認識し、それが動作の改善に繋がるのです。
人間は良くも悪くも楽な方に流れます。
これは動作についても同じなのです。
動作を教えるのは難しい。できることを繰り返す。

複雑な動作を覚えるためには意識的にしている動作を無意識にできるようになるまで繰り返す必要があります。
そのため教える際には動作を細かく分けて考えなければなりません。
先程キックの例で上げました3ステップのようなことです。
足首を固定するためにはふくらはぎに力を入れなければなりません。
このような動作日常では行いませんから、もちろん子供は意識的に力を入れます。
これに加えて足を振る動作もありますから、脚を振り上げるためにおしりから腿にかけての筋肉に力を入れます。
これに加えてキックの直前まで助走しますよね。
それまで走っていたはずの脚を振り上げてそれと同時にふくらはぎにも力を入れて、、、、。
このタイミングも難しかったりします。
しかしこれを一つ一つ分解して練習させるわけにはいきません。
とても難しいですし、練習自体もものすごくつまらないはずです。
そのため最初は「ボールを蹴るのが楽しい」くらいでいいのです。
トーキックでも良いですし、フォームが悪くても結構です。
その中で助走からボールを蹴るという動作を覚えます。
これを繰り返すことで無意識的にその動作をできるようになります。
親にできること

動作の習得プロセスを理解したところで、『更に上達するには』をお伝えしたいと思います。
まず大事なことは『子供のペースに合わせる』ということです。
大人が早とちりして教えこんではいけません。
その子の能力・技術を考えて今できることを楽しく繰り返すのです。
上達のステップが小さい方が、子供にとってはスムーズにストレスなく進めます。
一緒にサッカーを見る
ある程度のことを無意識でできるようになっているのであれば、なにかに意識を向ける余裕ができているはずなので、そのタイミングで「プロの選手は足のどこにボールを当ててるんだろうな、見てみようか」などと、子供が真似をできるように導いてあげてください。
その中でキックの要点を親がそれとなく教えてあげれると良いでしょう。
「ゴールキーパーがキックするときはこんなに軸足が斜めに立つのか!」や
「ミドルシュートのときはこんなに足を振り上げるのか!」
と驚嘆をまじえてぼそっと言ってあげると、子供は「ふむふむ、なるほどな」と。
押しつけにならずに良いでしょう。
これを繰り返していくことで様々な情報を自然な形でインプットすることができます。
動画を撮る
これと合わせてするべきなのが、子供の動画を撮ってあげるということです。
いくら良いお手本がいても、自分の思ったように体が動いていなければ悪いフォームのまま定着してしまいます。
練習でもいいですし、日常の何気ない時間でも良いので子供の動作を撮って一緒に見返してみましょう。
そしてその中から特に意識したほうが良い1つの動きを抽出します。
ここでいくつも改善点を挙げすぎるとまたもや頭が混乱してしまいますので要注意です。
次からの練習で「ちょっと意識してみようかな」と一瞬でも思えたらそれで成功です。
変に強迫観念に追われて、練習しても練習が楽しくなくなってしまいます。
頭の片隅にあれば必ず成長します。
もし忘れるようであればその子にとって『上達』はあまり興味がなく、親が一生懸命になりすぎているだけなのかもしれません。
その場合は少し時間をおいて、再度動画をとっても良いでしょう。
何事も楽しく、です。
まとめ

ぎこちない動きの子供は成長にせっかちな大人から生まれることが多いです。
最短ルートを通ろうとすると、いずれどこかで歪が生じます。
それが怪我なのか、技術なのか、運動能力なのかはわかりません。
ただ養殖では天然には勝てません。
『自然と上手くなる』が一番良いのです。
たくさん遊んで、たくさん観戦して、それらの姿を動画で記録しましょう。
そのような、ごく普通の家族の在り方にサッカー上達の秘訣が隠されています。
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