一流選手の共通項として挙げられるのが『キック精度』です。
メッシにしても、デ・ブライネにしても、エムバペにしてもみんなキックが一級品です。
それに付け加えてそれぞれの個性があるのです。
しかしよく聞くのが「うちの子上手にはなってきているんですが、キックだけが苦手で…」のようなお悩みです。
サッカーの最も大事な部分が苦手というのは親としては心配かと思います。
しかしキックが苦手な子のほとんどがキックが好きでないことが多いです。
「好きこそ物の上手なれ」とはよく言いますが、この問題に関しては本当にそのとおりなのです。
今回はそんなキックの苦手がなぜ生まれるのかにフォーカスして、そもそもどうしたらキックの好きな子供に育つのかお伝えできればと思います。
そしてこの問題を理解することで、自然とキックを上達する関わり方を学ぶことができます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
サッカーはどこまで言っても『蹴る』スポーツ

まずみなさんにお伝えしておきたいのは、結局サッカーは蹴れてなんぼだということです。
トラップ、ドリブル、ターン、フェイント、リフティング…etc
色々な技術がありますが試合でボールに関わるうちのほとんどが『キック』です。
そして試合の勝敗を分けるのもキックの技術です。
いくら相手をドリブルで翻弄しても最後のシュートが上手くいかなければ勝ちには繋がりません。
逆に言えばドリブルや上手いパスワークなどなくても、良い位置で奪って精度高いシュートが打てれば試合にも勝てるわけです。
これについては以前の記事で深く解説していますのでご参考までに。

子供が大好きなのは『強い・速い・大きい』

小さな子供の指導をしたことある人なら分かると思いますが、サッカーを始めた子供が「すごい!」と言ってしまう判断基準はいたって単純です。
とにかく強いもの。
とにかく速いもの。
とにかく大きいもの。
この3つです。
ここに「自分ならできるかも‼」のような発想は1mmもありません。
大人の感覚とは少し違いますよね。
ここにシュートを好きになるための秘訣が含まれています。
「ボールが蹴りたい‼」でサッカーを始める

子供が「サッカーをやってみたい‼」と感じるのはのは当たり前ですがボールが蹴りたいからです。
マーカーを並べたドリブルや、人と向かい合ってするパス&コントロールの練習ではありません。
ただただゴールにボールを蹴りたいのです。
そしてその時すごい人というのはトーキックだろうとなんだろうと『強いシュートの打てる人』となります。
もう一つは『強いシュートを止めれるGK』です。
もしかしたらこの時点では日本の『決定力不足』『少年サッカーのGK不人気』なんて問題は存在していないのかもしれませんね。
結局キックも『好き』が上手を育てる

キックを苦手に感じている子供のほとんどは反復練習の少なさにあります。
サッカーをしていない人でも分かると思いますがボールを思い切り蹴るというのは最初はものすごく怖いものです。
「ちゃんと蹴れるかな?」
「地面を蹴るかもしれない」
「足が痛くならないかな」
などの不安を無意識に感じているからです。
しかし最初はこれで良いのです。
これをおっかなびっくりでも繰り返していくうちに上手になっていくのです。
それではなぜ繰り返せるか。
やはり『キックが好き・楽しい』からでしょう。
反復しながら学ぶしかないキックの要素とは
キックの動作は蹴ることだけにフォーカスすれば時間にして1秒くらいでしょうか。
そのため上手になるにはまず感覚的なことを身体に染み込ませていくことが重要です。
「踏み込んで、足を振り上げて、ボールに当てて、振り抜く。」
なんて考えながらしている選手はいませんからね。
もちろん考えながら練習することは否定しません。
そしてキック初心者の最初の壁になるのは、『インステップに当てること』でもなければ『軸足の位置』でもありません。
それは『地面を蹴らずに足を振り抜くこと』です。
この地面すれすれを振り抜く動作感覚がないために、ボールの思ったところを蹴れなかったり、強いシュートにならなかったりするのです。
逆に言えばこの感覚さえ身についてくれば後は簡単です。
足のインパクトのポイントをリフティングなどで練習して、軸足の位置や体全体の使い方など細かい部分の微調整を行えば良いからです。
以下の記事もご参照ください!親子でするキックトレーニングの極意が載っています。

問題はドリブル特化型のトレーニング。その理由とは⁉

ここまで見ていくとサッカーに重要なことはキックで実は子供はそれを無意識的に理解しているということを理解していただけたでしょうか。
それではなぜ、シュートが苦手な子がたくさん出てきてしまうのでしょうか。
これには2つの理由が考えられます。
理由①:ドリブラーで勝てる低学年サッカー
一つは小さい子の試合ではドリブルができる方が勝ちやすいからです。
ようは勝利至上主義の弊害というべきものなのです。
サッカーを始めたばかりの子供の中ではある程度のテクニックがあればゴールを量産できます。
守る子どもたちも衝動性を抑えられず素直にボールを取りに行きますし、試合での駆け引きなんて経験したことのない子供ばかりですからね。
そして練習を繰り返し、上手くなってくると子供はもっとドリブルをしたくなります。
それで上記のように試合に勝てたりすると尚更です。
ドリブルすること自体が楽しくてしょうがない状態に陥ってしまいます。
周りにも褒められますしね。
このように、語弊を恐れず言えばドリブルは低年齢の子供にとって『依存性』があるとも言えるのです。
理由②:キックの上達には時間がかかる
そしてもう一つ。
キックの練習を始めて成果が出るまでの時間の長さが大きな問題となるのです。
先程もお伝えした通り、キックを上達するためには反復して足を振る感覚を身につけることが大事になってきます。
この『感覚を身につける』にとても時間がかかるのです。
そしてその間はとくに教えることなどありませんから「何か子供に教えないと!」と思っている人にはもどかしい時間になるでしょう。
反対にドリブルは割とすぐ成果が出ます。
最初のつまらない練習を子供が耐えることができれば3ヶ月後にはある程度同学年に差がついていることでしょう。
しかしこれは残念ながら正しい道とは言えません。
大人は自分の子供にドリブルを通じて圧倒的勝利感を与え、自信をつけてほしいと願ってしまうものです。
もちろんサッカーをする目的が「自信をつけてスクールカーストの上位に食い込む」などであれば倫理観はさておき、手段としてあっているかもしれません。
しかし、こと『サッカーを楽しむ→上手くなる』ということに関していうと目先の勝利や自信なんかよりも、「サッカーが楽しい」と思えるようになってもらうことが一番だと感じています。
ドリブルに特化しすぎたトレーニングは本質から離れ、楽しさからも離れる原因を作りかねないのです。
ドリブルはキックとセットで扱う

ここまでを読んで誤解してほしくないのは決して「ドリブルは必要ない」とは思っていないことです。
とても重要な技術であることは間違いありません。
ただ注意してほしいのは少年期のドリブルトレーニングの弊害として、ドリブルをそれ単体で捉えてしまうことです。
そもそもドリブルはシュートを打つための手段にすぎません。
そしてドリブルにも種類が色々あります。
細かいタッチで狭いところを抜けるものもあれば、早くまっすぐ進むためのものももあります。
コーンドリブルを行う際にもパスやシュートを意識させる。
コーンの幅を狭いものだけにしすぎない。
これらのことは指導の上では当たり前に考えることです。
まとめ:『教える』ではなく『一緒に楽しむ』

サッカー経験者の親御さんであれば早く子供にサッカーの楽しさを感じてほしく思いますから、ドリブルやボールタッチを教えたくなりますよね。
もしかしたらそれがこの問題の始まりかもしれません。
サッカー自体が楽しいスポーツであることを決して忘れてはいけません。
そしてその中で必ず一番にならないといけないということもありません。
サッカーをしていればいずれ必ず一番でない状況を味わうことになりますからね。
これはサッカーに限らずですね。
親としてサッカーの本質である、娯楽、スポーツ、エンターテインメントの部分に立ち返ることが子供と関わる上で大事になります。
まずは子供と楽しくボールを蹴れば良いのです。
一緒に楽しめるのであれば子供は必ず上達します。
子供の最初の「ボールを蹴りたい!」という感情を大切にしましょう。
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