これまでの日本サッカーの流れは幼少期からの英才教育に始まり、そこからJ下部組織、強豪校に入りその中から厳選された選手だけがプロとして活躍できるような環境でした。
しかし昨今ではそのような環境は変わりつつあります。
育成年代で無名だった選手が2〜3年でトップまで駆け上がっていくようなパターンが以前より多く見られるようになったからです。
この原因について理解することで、子供にサッカーをさせる親として何を考えるべきなのかがよく分かると思います。
ぜひ最後まで呼んでみてください。
環境が変わった要因

指導者のレベルアップ
以前に比べて色々な価値観を持った人が情報発信をしていることにより、指導者のレベルはかなり上がっているように感じます。
これはカテゴリーに限らずです。
この要因の一つに海外サッカーなどを学んだ人によりその国のスタンダードも日本人的な感覚で語られることが増え、より効率的な指導が増えて来ていることが挙げられます。
またJリーグ創設から30年が経とうとしていることもあり、元プロ選手による指導も増えてきています。
やはりプロを経験している人の指導は一味違いますし、指導者にとっても近くにプロを経験した人がいるというのはとても勉強になります。
指導者のレベルが全体的に押し上げられたことによって、同じ地域の強いチームと弱いチームを比べても、集まっている子供のそもそもの能力値が違うだけで、指導レベルは変わらないなんてことはざらにあるのが現実です。
地域クラブの多様化
つい数年前まではサッカーと言えど部活動などが主流でしたが、今ではより専門的な育成はクラブチームのほうが力を持っていることも育成環境を変える要因の一つだと考えられます。
同じ地域にもたくさんのクラブが存在するようになり、それによって自分の好みに合うチームを選べるようになったのです。
それにより生まれた地域と関係なく自らが所属チームを選べるので、自分のイメージや生活環境によりマッチしたチームでサッカーと向き合っていけるようになったのです。
育成年代でのサッカーに何を求めるか

上記を踏まえて、小学生〜高校生で何をサッカーに求めるかを考えます。
指導のレベルは年々上がってきているのですから、まずなんと言っても『プレー時間の確保』は考えなくてはいけません。
これはどのチームも考えているのですが、それ故に「Cチームでなら試合に出れています」みたいな選手が増えているように感じます。
ここで大事になってくるのは『チームを背負える立場にあるか』ということだと考えます。
『チームに必要』な状態が子供を成長させる
そのチームの降格や昇格。
運命を分ける戦いに関われているかで成長の度合いは大きく違うのではないかなと感じます。
「自分がそのチームに必要不可欠だ」と思えることは子供にとって『社会的な役割』であり、『自己効力感』を感じる場であり、試合の一つ一つを『自分ごと』として考えられる、とても特別で大切な感情なのです。
実際にCチームなどであれば、指導者側も昇格・降格に一喜一憂していない事がほとんどです。
もししていたとしても、Aチームの比ではないでしょう。
誰しもがAチームのような気持ちでで戦うことが成長には欠かせない要素です。
埋もれない環境を選ぶ

そこで我が子のチームとして選ぶのは試合に主力として出られそうなチーム、ということになります。
もちろん以前紹介したように、活動頻度・繋がり・雰囲気などもチームを決めるための大切な要素ですので、それも検討する必要はありますが、『近年の傾向を踏まえて』だけを考えると必ずしも『選手レベルの高いチーム』を選ばなくても良いのではないかと感じています。

たとえチームのレベルが落ちたとしても悲観することはありません。
そのレベルなりに体験できる経験を大切にしていれば必ず力はついていきます。
サッカーはいつまででも成長できます。
今までも言われてきましたが、小中学生のうちはレベルの差や、成長度合いに個人差がものすごく大きいのです。
もしなかなか環境の向上が見られなくても、大学生までチャレンジすればよいのです。
それくらいの心の余裕がこれからの時代必要になってくるのではないでしょうか。

『見て育つ』環境は十分すぎるほどある

ここで強豪クラブを選ぶ保護者目線に立って考えてみましょう。
強豪クラブを選ぶ一因として
「よりよい環境でサッカーをしてほしい」
「近くに上手い選手がたくさんいたほうが我が子のためになるのではないか」
このような考えがあるかと思います。
しかしこのような課題はすでに解決されているように感じます。
動画がいつでも見られる
まず1つに『動画コンテンツの充実』です。
世界中の上手い選手のプレーを親指一つでいつでも見ることができます。
これによりサッカーをたくさんするのが難しい環境にある子でも世界の最先端を見ることができます。
トレセン制度の成熟
更に日本のトレセン制度も成熟してきていることが大きいでしょう。
ポジション別や年代別、生まれ月別などで子供を集め、その都度厳正な審査を行い。
前回選ばれていることは関係なく選手を選んでいます。
これにより特徴的な選手であればそれなりの環境に身を置けるタイミングが確保されており、強豪チームに行くメリットである「周りに上手い選手がいる環境」というのは十分に用意されています。
このような環境だからこそ求められる『親の覚悟』

このように日本全土の優れた才能を吸い上げるシステムが充実してきている中では『親の覚悟』が求められます。
これはなにも「親が身を投げ打たねなならない」というわけではありません。
『親として長期戦を戦う覚悟』です。
子供がどの年代から花開くかわからない時代です。
これまでより長い目線で子供の成長を見守る必要があります。
これにより今までにない『親の覚悟』が問われます。
それは
- 長期的に応援することができるか
- そもそも子供自身が長期的に闘う事ができるか
- その後のプランBも考えられているか
この3つだと言えます。
まず選手は子供ですから親の助けなしに活動できません。
親が「この子には才能がないな」と見限ってしまえばそれまでです。
また選手自身がサッカーを楽しんでいないことには長期的には戦えません。
自分がうまく行かない状況でも「サッカーが楽しい」と言えるか。
これも重要な問題です。
親子で安心して長く闘うためのプランB
最後に長期的に闘うに当たって、自分のサッカー人生を判断するべきポイントが「以前より後ろ倒しになっている」ということが言えるかと思います。
以前であれば小学生だろうとエリート街道を外れた瞬間にその後を諦める必要があったでしょうが、今はそうではありません。
まだまだ可能性はありますし、いつ大化けするかもわかりません。
またその時の環境も整っています。
これは親にとって嬉しい反面、生半可な気持ちでは応援できなくなっていることも事実です。
ダメなときも、うまく行かないときも我が子と共有し、許容できるか。
その上で前を向けるか。
そしてその中で子供の人生を考えて一人の親として将来まで担保できるか。
このようなことが必要だと思います。
上手く行かなかったときの人生も考えながら、それでも応援し続けなければならないということです。
サッカー選手になれないと分かった時に、「現代社会で何か残せる人材であるか」。
これもその子のことを考えると必要なことです。
今の社会、「おぉ!〇〇大会で優勝したのか!これは根性がありそうだ!」と、スポーツで培った根性だけで生き残れる時代ではありません。
ブラック労働にさらされて疲弊するのが運の尽きです。
今は社会でも『何ができるか』で判断される時代です。
そこもお忘れなきよう、保護者の方にはお願いしたいと思います。
まとめ

今後は今まで以上に親の『忍耐力』と『長期的な応援』が必要になってくるかと思います。
よくプロになった子供の親の発信などありますが、その選手でさえ収入はサラリーマン以下なんてこともあります。
最終的に良かったかどうかなんてすぐに判断できるものではありません。
長期的に闘うために親が子供と同じ目線で戦わないように気をつけてほしいと思います。
子供を思う心こそが日本のサッカーの発展の一助となる力だと感じています。
より良いサッカー人生を目指して頑張っていきましょう!

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