当サイトでも反対している勝利至上主義の話。
子供の成長を考えると全選手にチャンスを与えるべきだとするサッカー界全体の考えですが、現場やそこに関わる保護者の立場ではどうも賛同し難いようです。
しかし私はこの考え自体はサッカーに関わる方全てに良い影響があると考えて発信しています。
今回は「補欠ゼロ⁉有り得ない‼」と考えている方にそれに取り組む指導者側の考え・苦悩を知って頂きたく書きました。
少しでも指導者と保護者の溝が埋まればと思います。
勝てるのに勝てない。頑張る子供の親は不満が

この補欠ゼロを目指す活動の中で一番の問題として挙げられるのは『補欠ゼロにすると試合に勝てない』という部分です。
これに関して保護者の立場からは
「補欠ゼロの考え方は勝ちたい子供の気持ちを蔑ろにしている」
との声があげられています。
深彫していくと、チームが補欠ゼロを意識するあまりに
・チームが勝てなくなる。
・頑張っている我が子の出場時間が短くなる。
と言った問題に不満があるようです。
たしかに頑張っているのに勝てないとなると「自分が出ていれば…」となるのも子供心もよく分かります。
親としてもこの状況はとてもやるせない気持ちかと思います。
最初に結論:指導者としては拮抗した中で全員出して勝ちたい

もし仮に100%勝てるとわかっている試合であれば「全員出場させたい」と思うのが指導者です。
反対に100%負けるとわかっているなら…
これに対しても「どうせ負けるなら全員出したい」と思ってしまいます。
また、0−0の拮抗した試合では明らかに戦力の落ちる交代はなかなか出来るものではありません。
これはまだ簡単な判断。
難しいのが1−0や2−0、もしくは0−1や0−2です。
これがあるから難しいのです。
まずは『補欠をゼロ』について

この問題に関しては以前から取り上げていますので以下の記事をご参照ください。
指導者の思いも知っていただけるかと思います。


指導者が保護者に一つだけ理解してほしいこと

はじめに少し考え直してほしいのが、もしかしたらみなさんのチーム指導者の方も保護者さんたちと同じ気持ちかもしれない、ということです。
先程の結論のように「頑張っている子供に勝利を味わってほしい!」とは思いつつも
「もう少しこの子も出せるのでは?」と欲が出てしまうのが指導者です。
全員を出場させて、全試合勝つのが理想ではありますからね。
その理想を追い求めすぎるがゆえに、ギリギリの負けが重なってしまう指導者もいうのです。
ここで一つだけ理解してほしいのは
『勝とうと思ったから勝てるものでもない』
ということです。
当たり前ですが相手がいますからね。
指導者も『子供の成長』『クラブの継続』『相手への感謝』の中でバランスを取って采配しています。
そのバランスの中で勝敗を操ることはさらに難しいことです。
そのため、すぐ「全然勝てない!あの指導者、やる気ないな!」とはなってほしくない、というのが指導者の立場から言えることです。
指導者の苦悩。『クラブの継続』と『相手への感謝』とは

ここで先程でた3つのワードの内わかりにくい2つを説明したいと思います。
地域にクラブがあるからこその問題提起
そもそも地域にサッカークラブがなければこのような問題は起こりません。
そこには「この地域の子にサッカーをする環境を残そう」とする指導者の働きがあります。
そのためにはクラブに関わる人達を受け入れ・楽しませる必要があります。
楽しそうに活動するクラブには自然と人が集まりますからね。
そしてサッカーとは試合をすることです。
試合がなければチームに活気が生まれません。
また試合をするためには選手がたくさんいたほうが良いです。
誰が急遽来れなくなるかわかりませんし、子供ですので疲れたり怪我をしたりするものです。
試合会場で友達と喧嘩したり、忘れ物をしたりというのもよくありますしね。
そして多くの人に参加してもらうには「サッカーに行ったら楽しい!」と子供自身に思ってもらわなければなりません。
そのためには「試合に出れた!」や「前よりうまくできた!」のような成功体験をさせることが大切になってきます。
そうなるためには試合に使わないといけませんよね?
相手があっての試合。相手の選手も誰かの子供
忘れてはいけないのが
『対戦相手は自分たちを楽しませるために来ているわけではない』
ということです。
対戦相手の選手もまた誰かの子供でその子を思う保護者さんがおられます。
その子どもたちも「サッカー楽しみだな!」や「もっとうまくなりたい!」と思って試合会場に来てくれています。
そんな対戦相手に「子供の成長を考えて」と言って低学年の選手ばかりをあてがうわけにはいきませんよね?
「0−30で負けてしまいました」ではどちらも楽しくありません。
やはり拮抗した試合のほうが盛り上がりますし、両方が楽しいです。
指導者として悔いの残る最悪の結果とは

指導者が上記のような事を考えながら指導していることは理解していただけたかと思います。
そのなかで指導者が一番後悔するシチュエーションを知って頂ければと思います。
それは選手を交代させず粘った上で負けることです。
これが最悪で後味が悪いです。
「負けるならもっと積極的に起用しておけば良かったな」と。
これは結果論ですが、なかなかつらいものです。
選手・保護者に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
最後の最後で失点して負けてしまう試合などであればまだ良いのですが、0−1や0−2くらいで粘って最後0−3、0−4になって負け、みたいなのは本当に反省ものです。
このような苦悩も指導者にはあることを少しでも知ってもらえれば幸いです。
まとめ:本当に子供の勝ちたい気持ちを蔑ろにしているのかを知る必要性がある

不満を持った時に「この指導者は本当に子供の勝ちたい気持ちも尊重してくれているのだろうか」と考え、調べる必要があります。
方法としては直接話すのが良いとは思いますが、それが難しいようならよく観察するのが良いでしょう。
それでどうしても納得できない場合は移籍も検討しなければなりません。
勝ちたい気持ちを尊重してあげることも大切なのは間違いないですからね。
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