困難を目の前にした時、物事がうまく行かなくなってきたときに大切なのは
落ち込まないことや
不安にならないこと
ではなく、
それらを受け入れて再び立ち上がることです。
その力をレジリエンスと呼び、少し前にビジネスマンの間などで話題になりました。
これはスポーツをする子供にとっても非常に重要な考え方。
これから先数々の困難にぶつかることでしょう。
そんな時に「もう嫌だ」「僕なんて」「私には無理」というようなことにならないためにもレジリエンスは身につけておくべき力と言えます。
今回はそんなレジリエンスを身につけるためにはどのようなことが必要になるのかということをお伝えできればと思います。
またその先の細かい部分につきましても今後、追ってお伝えできればと思っています。
参考文献です。
レジリエンスはどうやって身につく?

早速本題の答えからお伝えします。
レジリエンスの身につけ方はズバリ、「苦難を乗り越える経験をすること」です。
この答えに納得のいかない方も多いのではないでしょうか。
「苦難の乗り越え方を聞きたいのにそれが『苦難を乗り越えること』なんて、当たり前じゃないか!」という声が聞こえてきます。
しかし正真正銘これが答えなのです。
もう少し細かくステップを分けて説明していきます。
ステップ1:底打ち
苦難や大きな壁に出くわした時に人の心は不安になったり、悲しくなったりといったネガティブな感情に苛まれるはずです。
この感情に対して変にポジティブにいるのではなく、まずは受け入れこの感情の底を打つことが大切です。
いつまで経っても頭の中にネガティブな感情が渦巻いているようでは先へ進めません。
ステップ2:立ち直り
そして次は立ち直りです。
底をついた感情を再び持ち直すために前向きに取り組み始めるのです。
ここで必要になってくるのが、自己効力感や自己肯定感など自分に対してポジティブな考えを持てる感覚です。
ステップ3:教訓化
そして最後に教訓化です。
これは「過去の逆境体験を振り返り次につながる意味を学ぶ内省」とあります。
つまり「こういうときはこうすれば良い」や
「自分のこういう行いが今回の問題を招いていたな」とか
などを考え次に対して考えることで、少しずつ心は鍛えられていきます。
ちなみにですが子供が内省をできるようになるのはだいたい4〜5年生くらいだと言われています。
あまり早くから教訓化を無理強いしても難しいでしょう。
誰しもがレジリエンスを身に付けられない理由

それでは逆説的に身に付けられない理由から説明したいと思います。
大人になれば多くの人が何らかの困難に打ち勝った経験をしてきているだろうに、なぜこんなにもレジリエンスが身につかないのか。
ここに考えるべきポイントがあります。
理由①:経験数不足
大人の社会を見ていても苦難に何度も立ち向かっていける人は少ないかと思います。
それを子供に身に着けさせようと考えるとこれは一朝一夕ではいきません。
非常に長い年月がかかると思っておいたほうが良いでしょう。
10年後かもしれませんし、20年後かもしれません。
考えてみれば当たり前で、普通に生活している人の人生の中で困難にぶつかったり、挫折を味わうようなことはそうそうあることではありません。
これが誰しもが身に付けられない理由の一つになるかと思います。
そもそもの経験数が足りないのです。
理由②:乗り越えようとできない
そしてもう一つは困難を目の前にしたときの人の対応にあります。
このような時子供が自身の力で乗り越える局面は少ないように感じます。
大体は逃げるか、諦めるか、無視するか、誰か別の人に解決してもらうのではないでしょうか。
つまり『乗り越えた経験』ができないのです。
レジリエンスを身につけるための働きかけ

上記のことからレジリエンスを身につけるためには
- なにかにチャレンジしたいと思えること
- そこで現れる壁をを乗り越えられると思えること
この2つが大切になることが分かります。
チャレンジングにできるからこそ問題と出くわす可能性が高くなり、「自分にはできる!」という自身があるからこそそこで経験値を得られるのです。
「チャレンジしたい!」と思うためには
子供が「チャレンジしたい!」と思うためには『心理的な安全性』は必要不可欠です。
何かに付けて怒られるような状況では動くことこそがマイナスに働きます。
そこでリスクを負ってチャレンジすることなんて大人にもできないはずです。
またそれと合わせて「失敗しても帰る場所がある」と思えることも大切です。
家庭に安心感があり「どんな自分でも受け入れてもらえる」と子供が無意識に感じられていれば、躊躇なくチャレンジできるでしょう。
「自分にはできる!」と思えるためには
自身を持つためには『自己効力感』を高める必要があります。
基本的にはこれも自身の行った経験から高まるものなのですが、それ以外にも方法はあります。
ちなみに前述した自ら自己効力感を得る方法を『直接的達成経験』といい、自己効力感を高めるためにはもっとも効果が高いものだと言われています。
それが難しければ『代理的経験』。
つまり他の人が”できている”ところを見ると、自分も「できるのでは…」と思ってしまう心理です。
ポイントとしては自分に近いと思える存在を見ることが大切です。
これは主観的な価値観になるので親が「あの子を見て学ぶんだ!」と言ってもそれを言われた子供本人は「あれは無理だよ…」なってしまいかねません。
そして逆もしかり。
歳が5〜6個離れていても、体格が全く違っても、身近にいる”兄弟”という存在であれば真似しようとするのもこの『代理的経験』をしているからなのでしょう。
親が「それは無理だろ」と思ってしまうようなことも平気で取り組めてしまうのが弟や妹という人種なのです。

まとめ:「失敗しても大丈夫!」と思えることが人生を楽にする

逆境に立ち向かうメンタリティを得るために必要なのは実は「我慢」や「高強度のトレーニング」ではなく『良い家庭環境』と『ミスを追求されないチーム』、そして『お手本となる存在』です。
言葉だけ並べるとものすごく関係のないものに見えますが、そこから取り組む姿勢が生まれ、行動が起こり『再起力・レジリエンス』は高まります。
冒頭でもお伝えしましたが「落ち込むこと」自体は悪いことではありません。
そこから立ち直り、再起し、より強い”自分”となって前を向けることこそが、子供の未来を明るくします。
そして「失敗しても自分なら大丈夫!」と思えるレベルまで来たらもう怖いものはありません。
その子はとても楽しい人生を送れることでしょう。
サッカーに限らず一生使える力をぜひ子供に身に着けてもらいましょう!

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