今回紹介する本はカターレ富山発足に関する内容が書かれた本です。
この表紙を見ると、
「サッカー関係者が読むものでしょ?」
「クラブの成り立ちとかには興味ないかな」
と思われる人がほとんどだと思います。
しかし実際には、第1~4章に分かれる話のうちクラブ創設の奔走劇が描かれるのは最初の1章だけなのです。
それ以降は
教師を通して学んだ子供に対しての接し方、
サッカーに対する深い考え方、
サッカーと地域の結びつき、
などがふんだんに書かれています。
このタイトルと内容のギャップが非常にもったいない!
もっとたくさんの人に読んでもらえる読みやすい本なのに、タイトルだけで敬遠されてしまう。
そこで今回はこの良書について、内容をかいつまんで紹介しようと思います。
人の良いところを探す術

第2章からは著者の高校教師としてのスタンスが語られています。
その中で、とあるド派手なメイクの女子高生のお話。
一人の教員が
「あの子、いつも化粧がケバくて、高校生らしくないですよね」と嘲笑気味に。
それに対して著者は
「先生、あの子が何時に起きてるか知ってます?あの顔を作るのに朝5時に起きて2時間近くもかけて化粧してるんだそうですよ」
「僕たちが寝ている時間なのに、顔づくりのために早起きをしてメイクに気合入れてるあのバイタリティは、僕らには到底真似できません。むしろ立派な事なんじゃないですか?」
と。
ここにこの著者の教育者としての素晴らしさが凝縮されているように感じます。
まず相手のことも知らず見た目で判断しないこと。
さらには一見悪そうに見える行いにも、良いところ・努力をしているところがあるんじゃないかと視点を変えて見れること。
この考え方は我々指導者や保護者にもとてもためになる一例です。
子どもにも腹を割って話す

次はとある不良生徒とのお話。
入学前から警察沙汰などでマークされていた不良生徒がバスケ部に入部することに。
そこで著者は厄介事を押し付けられるようにバスケ部の顧問を任せられるのです。
ある日その生徒から
「あの教頭、俺を辞めさせようとしているように感じるけど、あいつ、どんなやつなんすか?」と問われる。
普通であればここで
「教頭もお前のことを考えてだなあ、、、」などと言うのが常套句です。
しかし
「教頭か、俺も嫌いだよ」と
そこで食いついた生徒に
「人間って、人それぞれなんだよ。教師だって50人いたら、50通りの考え方がある。悪いこともいいこともだ。だけどお前のいいところを伝えるだけの関係ができていなければ、相手には伝わらない。大嫌いな人とも話ができるようにならないと、ますますお前のいいところが伝わらないんだ。それじゃ困らないか。それが俺とお前の違いだよ。」
良い言葉なので原文そのままで載せてます。
どうでしょうか?自分がこの生徒でも心を開いて考えてしまいそうですよね?
まず否定から入らない。
それと同じ人間だと、立場・考えだと目線を合わせる。
そしてその上で社会というもの、人間というものを現実的に説明し改善を促す。
このほかにも子供に話を聞いてもらうテクニックがこの数行の中にふんだんにちりばめられています。
スポーツは1つじゃない

第3章では著者の学生時代にさかのぼります。
その中で「なぜ部活は1つしか選べないんだ⁉」という話があります。
色々してみたいのに学生のうちから一つの競技に自分をベットしなくてはならないのはなぜか。
全く同感の疑問です。
本書では続けて
子供たちの発育、発達の段階に合わせたスポーツの在り方、社会性を培っていくために、スポーツはどうあるべきかを考えると、1つしかスポーツを選ぶことが出来ないのは、理にかなっていないし、実にもったいないことだ。
と綴られています。
以前に書いた記事もお時間あれば参考までに。

まとめ
タイトルからは想像つかないくらい著者の半生について描かれていて、尚且つそれがテレビドラマのように面白い内容でした。
今回は載せられませんでしたが、このほかにも為になる内容がたくさん書かれていますので是非読んでみてください。
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