日本のサッカーは急激に成長していますが、その一因となっているのが勤勉で情熱的な指導者の存在です。
日本の指導者のほとんどがボラティアかお小遣い程度の報酬で私生活の一部をなげうってくれています。
その最たるものが通称『保護者コーチ』や『お父さんコーチ』『パパコーチ』などと呼ばれる指導者たちです。
育成年代の指導現場で指導の一端を担ったり、メインの指導者のサポートをしたり、友達のお父さんとして場を柔らかくまとめてくれる我々指導者にとって非常にありがたい存在です。
今回は『保護者コーチ』について知ってもらうことで、よりサッカーに関わる人が増え、また関わる人へのリスペクトが大きくなってくれることを願っています。
『保護者コーチ』に指導者が求めているもの

子供を見るための人手がほしい
一番シンプルな目的はこれです。
小学校でも1クラスの上限人数は決まっていますし、保育園や幼稚園でも1人の大人に対しての人数は決まっていますよね。
年齢が低いほど大人の目が必要です。
これは安全上の観点もありますが、それ以上に子供の感情の面が大きいです。
小さな子供は「みてみて!」「ねぇねえ」「今日ね、僕これがこれで…」と常に誰かに注目してほしいものです。
そこで見てあげれないと、やる気を無くしてしまったり、気を引くためにわざと危ないことをしたりするのです。
子育てに活かせる体験をしてほしい
よく言うのが「子供が8歳なら親としては8歳なんだ。間違えることもある」ということですが、これはまさにその通りで、一生のうちで数回しかない子育てを我々保護者は経験している真っ最中です。
毎日が初めての連続で疲れはて、予想できない子供の動きに驚いてばかりではありませんか?
そして1人目より2人目。
2人目より3人目とコツを掴んでいきます。が、この低出生率の時代にそう悠長なことは言ってられません。
そこで大事なことは『他の子供を見る』ということです。
2年生の我が子を連れていき、自分は小学6年生を見ると「あぁ、6年生になったらこんな感じなのか」と感覚的に慣れておくことが出来ます。
クラブに入る壁を低くしたい
「〜がしてみたい!」というのは子供で、誰しもが親の勧めでサッカーを始めるだけでは地域のサッカーも盛り上がりません。
しかしクラブに友達のお父さんがいたらどうでしょう。
初めての習い事で心臓バクバクの子供はそれだけで少し落ち着きます。
何事も最初が肝心です。
緊張して行って、緊張したまま終えてしまったら『楽しい』は感じられないでしょう。
知っている友だちがいる。
知っているお父さんがいる。
そんなちょっと友達の家に遊びに行くくらいの感覚になってくれるとしてやったりです。
そんな状況が作れれば、最初は大人しい子でもだいたい終わる頃には大騒ぎです。
活気が生まれればチームが変わり、地域が変わります。
保護者コーチをするメリット

教えるのが上手くなる
教える方法は対子供でも対大人でも基礎の部分はあまり変わりません。
むしろ相手が未熟な子供となる分、難易度は高いと言えるかもしれません。
子供への指導をフィードバックを受けながら、経験していくことで、
「あ、デモンストレーションしてから教えると伝わりやすいな」とか
「結局やらせて失敗させるほうが本人も納得してスムーズだな」のように
体験として自分も知識を得ることができます。
我が子に還元できる
『指導者の求めること』でも先述しましたが、普段あまり見ることのない上の学年まで見れるので、「この学年のサッカーはこんな感じになるのか」と知ることが出来ます。
この知識を「上の子達の試合はすごくコートを大きく使ってやってたぞ」のように家庭で話すことができれば、子供も少しばかり興味を持つことが出来るはずです。
またその学年の試合の引率などできれば、そこの自分の子供を連れて行くことでまた新しいサッカー観に触れさせることが出来るはずです。
余談:けが人が出たせいで急遽小学3年生が6年生の試合に⁉
たまたま練習試合を見に来ていたコーチの子が上の学年の試合に入るなんてことも珍しい話ではありません。
「けが人がいて急遽…」という話もありましたし、指導者によってはそういう子を面白がって経験させたがる人もいるようです。
どちらにせよ子供はめちゃくちゃ緊張すると思いますが、良い経験になるのは間違いないでしょう。
今後について。ボランティアは続いていくのか

ここから急に現実的な話になりますが、今までの日本のサッカーの発展には保護者コーチをを始めとしたボランティアコーチの存在が大きく影響してきました。
しかしその善意に頼りすぎているのも事実です。
これはあまり持続性のあるものではありません。
そのため継続的に子供にスポーツの場を用意するためには保護者コーチにも報酬が必要ではないかと考えています。
サッカーに関わりたい人自体は多いものの、その保護者の家族にも得がないとトータルで見た時に上手くいかないのではないでしょうか。
そのため今後もう少し会費を多く支払うことになったとしても納得していただくことが必要になってきます。
物価なども上がっていますので、今後ない話ではないと思います。
もしそうなった時に、日本各地でサッカー関係者がすり減ってしまう状況だけは避けてほしく思います。
まとめ

サッカーに関わっていただいている保護者コーチの方には感謝と尊敬しかありません。
協会の人間でもなんでもありませんが、本当にすごいと思います。
だからこそその人達にもっとスポットライトがあたり議論されるべきではないかと考え、この記事の制作にあたりました。
サッカーの指導者は基本的に休日出勤当たり前ですし、ホワイトな働き方とは言えません。
日本サッカー界が成熟してきた今、その面も議論が盛り上がると嬉しく思います。
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