SNSなどを見ていると
「子供が試合に出れない」
「指導者が厳しすぎる」
など自身の子供がサッカーをする上で良くない状況にある、いわゆる『不遇』を訴える保護者の声が目に止まります。
これらのことは協会を始め、あらゆるサッカー関係者が改善に努めていますが
「補欠ゼロは弱者の意見」
「チームは選べるのだから変えれば良い」
「強豪チームはこんなものじゃない」
など反対する様々な人のそれぞれの見方があり、なかなか話が進まないのが現状です。
また悩んでいる方の多くが
「チームを変えたらかなりレベルが落ちてしまうのでは?」
「子供の夢が潰えてしまうのでは?」
と夢と現実の狭間で行動に移せず葛藤しているようです。
今回はそんな子供の『不遇』に対して親が子供の夢を守るためにするべきことをまとめ、お伝えできればと思います。
子供の将来を考えて悩まれている方は参考までに見てみてください。
勝負の時期を先延ばししてみる

子供の夢を考える親御さんの描くストーリーとして
Jr.、Jr.ユース年代で強豪チーム → 強豪校へ進学 → プロもしくは大学リーグへ
のような事を考えているかもしれません。
たしかに強豪と言われるチームに入ればそれなりの注目度で、他の中堅チームに比べるとその後の進路においては有利と言えるかもしれません。
しかしそのチームにいたからと言って、必ずその進路が約束されているわけでも無ければ、必ず上手くなるわけでもありません。
もっと言えば弱いチームに移ったからと言って必ず上手くならないというわけでもありません。
そのため一旦は現状を受け入れ、子供がサッカーを嫌いにならないようにチームを変える決断をしましょう。
そして勝負の時期を高校・大学・社会人と先延ばしにするのです。
高校生になればある程度条件が揃う。そこからが本番
子供を応援していくうちにいつの間にか毎日が戦いのように追い込まれた日々になってはいませんか?
しかし小中学生というのはまだ未発達でそこで何もかも決めつけてしまうのはあまりにも不合理です。
身長はもちろん、高校年代以降には筋力もつきやすくなりますし、脳の発達も著しいものがあります。
またいつも言いますがサッカー歴が長くなっていくほど技術力の差も小さくなります。
これらのことから高校年代から少しずつステップアップしていけると以前まで勝てなかった元チームメイトとも肩を並べられるようになるはずです。
高校の部活やこれからJクラブ入りを目指す街クラブなどであればセレクションなどなく入れるところもあるので、その選択肢の中で自分に合う最良のところを選べるはずです。
ただここでも試合に出られる確率とチームの強さをよく考えて選びましょう。
その後も大学やJ昇格を目指す社会人チームなどプロになるための選択肢はありますので、やはり最後は本人がどこまで本気で粘れるかになるでしょう。
行くところまで行くといきなり海外で挑戦する選手もいるようです。
どの経路でなろうともサッカーでお金を稼いでいたらプロサッカー選手なので、これも一つの選択肢ではないでしょうか。
サッカーを嫌いになることが最も良くないこと

ここまでの話のベースとなる要素として最も大事なことが「サッカーが好き」という強い気持ちです。
この気持ちがガソリンのようなもので、子供を夢に向かって長く走らせてくれます。
これが「サッカー=厳しいもの、大変なもの」という認識が出来上がっていてはなかなか長く走ることは出来ません。
そのため純粋に「ボールを蹴りたい!」「サッカーが上手くなりたい!」という欲求が子供の中から消える前に対処してあげたほうが良いでしょう。
長く闘えることこそが今後のサッカー育成の上では大切になってくるはずです。
協会も才能を取りこぼさないように心がけてくれてはいます。
また自信を持って取り組む姿や、のびのびとプレーする姿、中心となって闘う姿は親としてもこの上ない喜びに繋がるはずです。
そしてもし途中で夢を諦めることになったり、別の夢が見えてきたとしても「サッカーが好き」という気持ちが残ってさえいれば、生涯スポーツとしてその後も健康面や社会的な面から子供を支え続けてくれるはずです。
大人になったときにサッカー仲間と健康的に楽しむ姿を見れたら、きっと未来の皆さんは「サッカーをやらせて良かった」と心の底から思うはずです。
チームの中心として試合に出ることが大事

せっかくチームを変えてもそこで試合に出られなければ本末転倒です。
「レベルの高いチームで得られるもの」を超える経験を得る必要があります。
それは間違いなく『試合経験』です。
よくJ1で出場機会の与えられない選手がJ2やJ3などに移籍をしますよね?
それと同じで子供でも『試合経験』は重要です。
もっと言えば『中心選手として試合を闘う経験』。
この経験が試合やチームを「自分ごと」として考えさせてくれるので、
「この状況を変えるにはどうすれば良いのか?」というようなことを本気で考えるようになります。
これが成長するための基礎を植え付けてくれるのです。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」と言いますが、この経験があればたとえサッカー以外の方向に進むことになったとしても大きく成長できるはずです。
それくらい汎用性の高い経験ができるのです。
プロの世界をイメージしてみる
自分がスカウトになった気分で、今から挙げる2選手のどちらに声をかけたくなるか少しイメージしてみてください。
年齢やその他条件は同じ(身長など)、ポジションはFWとしましょう。
選手A:J1出場5試合0得点
選手B:J3全試合出場20得点
どうでしょう?
両選手ともおそらくJ2あたりから声がかかりますが、注目度で言えばBの選手のほうが高いと思いませんか?
ようは低いレベルに言ったとしてもそこで試合勘を保ち、圧倒的な成績を残せば問題ないのです。
最低ライン以上のチームであること

ただあまりにもレベルを下げすぎると、限りなく夢から遠ざかってしまう可能性があります。
例えば「自分以外で経験者が数人しかいない」とか「指導者が素人でやる気もない」は避けるべきでしょう。
最低条件として、
- ある程度経験・技術のある同学年がスタメンの半分の人数いる
- 指導経験のある指導者でやる気もある
この辺は必要かなと思います。
まとめ

我が子がサッカーで苦しんでいる姿を見るのは親として本当に辛いことかと思います。
子供は身の回りの社会を「当たり前のこと・仕方のないこと」として受け入れてしまい、疑問に思うまでどうしても時間がかかってしまいます。
そんな時、親が「こういう考えの人もいるみたいだよ」と伝えてあげられたら、サッカーに対する嫌悪感を抱かずに違う手段を探せるのではないかと思っています。
長く闘うことは親としてもサポートに苦労するかと思いますが、子供ののびのびとサッカーを楽しむ姿が心を支えてくれるはずです。
もし子供が不遇を経験していることによって「そもそもサッカーとは何なのか」「何のためにやっているのか」などを考えられたのであれば、とても素晴らしいことです。
中には苦しそうな我が子を見ても、チームで上手くいっているが故にそれが普通だと思い続けてしまっている人もいます。
親子でした苦しい経験を無駄にしないためにも、しっかり親子で話し合いましょう。

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