よく公園でサッカーをしている親子を見ますが、見るたびにとても嬉しく思います。
サッカーが親子のコミュニケーションツールの一つとしてそこにあることにサッカー文化の発展を感じるためです。
しかしながら中には子供にサッカーをして欲しい思いが強すぎて空回りしている親子や、どう見ても子供が楽しんでいない昭和のスポ根漫画みたいな親子もちらほらいます。
今回はそんな「子供にサッカーを楽しんでほしいけど、楽しんでくれない」という悩みを抱える方のお役に立てる内容になれば良いと思っています。
「楽しいから上手くなる」と「上手いから楽しい」

まず冒頭のような半ば子供にサッカーを強要する方の考えで多いのは、
「サッカーが上手くなれば、楽しいと思うはずだ!」
という考え方です。
確かにこれはその通りで、上手い子がどんどんそれをアイデンティティにして没頭していく姿を何人も見てきました。
しかしこれを聞くとまっさきに一つの疑問が湧いています。
「上手いとはどの段階での話ですか?」
という疑問です。
小学生での上手さを追求すると…
これはよく言われる話ですが、小学生にはその年代ならではのサッカーが存在し、大人のサッカーとは少し違うものがあります。
- ボールを大きく蹴れる子供が少ない
- フィジカルの差が大きい
- 知能や精神面も未発達である
などなどです。
これらがあることで活躍できる子供の特徴は少し偏ったものになりがちです。
例えば精神的に発達が未熟であるがゆえに、衝動的にボールを追ってしまいドリブルで簡単にかわされるなんてこともよく起きる現象です。
これが大人になるとそう毎回上手くはいきませんよね?
5年後、10年後の技術レベルを考えると…
さらに『上手い』ということを長い目で考えると、小学生の時の技術レベルが大人になっても同じ差であり続けるなんてことは考えがたいことです。
以前の記事でも書きましたが、小学生段階では『サッカーに懸けた時間』が技術レベルに大きく関わります。
生きてきた中でのサッカーに懸けた時間は徐々に誤差レベルになるからです。
現在12歳で6歳から始めた子は人生の半分をサッカーに懸けていますが、
現在12歳で10歳から始めた子は人生の6分の1しかサッカーに懸けてはいません。
その差は3倍です。
しかしこれが10年経つと
前者は人生の11分の8、
後者は11分の6です。
その差は約1.34倍まで縮まります。
これにプラスして、
それぞれのセンスや身体能力、
1年間で取り組む練習量、
さらには練習の質、
なども加味するとこの数字は誤差と言っても過言ではないはずです。
また幼いときからハードなトレーニングを繰り返している子供は怪我や過度の疲労による身体的な未発達もよくあるのでさらにこの差を縮める要因が重なります。
以上のことから小学生段階の「上手い」を求めるのであれば、それは少々近視眼的と言わざるを得ません。
しかし「楽しい」が難しい

前述してきた内容は最近では常識にありつつあり、それを考慮して「いかに子供にサッカーを楽しいと思ってもらうか」を考えているからこそ、親子でサッカーを楽しもうとする人が増えているのだと思います。
しかしそれでも子供は違うことをやりたがったり、すぐ飽きてしまったりと思うようにいきません。
褒めておだてて、ご褒美をあげてみても一過性のやる気しか得られません。
親が一生懸命演じて楽しんで見せてみても、子供はそっぽを向いて全く動きません。
一体なぜでしょう。
動機によるモチベーションの質
親がお膳立てしてするサッカーはあくまで外からの力に流されている状態です。
これでは長続きしません。
勉強で考えてみましょう。
何かしらの課題が学校から出されてする勉強で考えることは、
「いかに要点を押さえて良い評価を得るか」
ということになります。
しかし「自分には夢があり、そのために知りたいことがある」と始めた勉強で考えることは
「その興味のあることを含め、周りとの因果関係も理解したい」
など非常に上昇志向に溢れ、パワーを感じますよね。
この前者を『外的要因』、後者を『内的要因』と呼びます。
この内的要因が子供に楽しんでもらうために重要になります。
「できそう」だからやりたい
またもう一つ、子供が「サッカーをやりたい」と思うには「なんかできそうだな」という気持ちが必要です。
これを『実現可能性』と言います。
どうしてもスポーツマン心理で「子供はできないことをしたくなるのでは?」と思ってしまいますが、実は違います。
本当はできることを何回もしたいのです。
これは初めて指導をする人がぶつがりがちな点でもあります。
遊びの一つに忍ばせる
以上のことから、大切なことは子供自身が「できそう!」そして「やりたい!」と思うことだとわかります。
そのため親が仕向ける際には「子供に気づかれないように」というのがポイント。
「別にサッカーしなくてもいいんだよ」という余裕ですね。
そしていろんな遊びをしていく中で「これで遊びたい!」を待ちましょう。
もちろんそれまでに家でサッカーを楽しく見たり、伏線も大切です。
最初はキャッチボールでも良いのでボール遊びを楽しむ流れでボールを蹴れるように誘導します。
ボールを投げてペットボトルを倒す遊びなどをしても良いでしょう。
そこで親がふいにボールを蹴ったりしたら、子供も楽しんで真似をするはずです。
そこで「お!」と喜んでくれたら子供は嬉しくなり、心をつかんだも同然です。
入り口がそのくらい自然だと子供は自分自身の「やりたい!」という気持ちで動いているため、楽しんで続けられるはずです。
まとめ:あとはしっかり子供を見て、親のスタンスを崩さないこと

子供が少しやりたがったからといって、嬉しくなって事あるごとにサッカーを出すと再び子供はやりたくなくなってしまいます。
そうならないように大人がタイミングを見て、自ら違う遊びを促したりすると子供のモチベーションは保たれるはずです。
もちろん子供自身に強い動機がすでに存在している場合は何も必要ありません。
しかし「子供は常に刺激を欲しており、サッカーだけでは刺激不足になる」ということは十分理解しておきましょう。
あらゆる刺激から子供の頭は成長します。
週末の公園がサッカーボールだらけになることを願っています。
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