
今Jリーグで首位争いをしている川崎フロンターレ、名古屋グランパス。
その2つで監督をされていた風間八宏氏。
今はセレッソ大阪の技術委員長をされています。
その方が伸びる選手の特徴として挙げていたのが今回お話しする素直さになります。
これには本当に同意見で、特に大事なパーソナリティ(個性)ではないかと思っています。
しかしこれは皆さんの想像する素直さと若干ずれがあるかもしれません。
どういう素直さが良いのか。
なぜ素直さがあると伸びるのか。
これらをお伝えできればと思います。
※この記事はあくまで私個人の意見です。風間八宏氏のインタビューも参考にしていますが、そのものではありません。
「素直さ」を守る
「素直さ」とは

言葉で説明しづらいというのが本音です。
あえて言葉に直すと、
「自分の心で感じたことをそのまま行動に移せる力」です。
常に”考えること”を要求される昨今のサッカーで失われている部分でもあります。
心⇒行動です。
しかしこの能力は身に付けるものではありません。
子供には最初から備わっています。
ようはそれを傷つけず、壊さないように育てなければいけません。
サッカーの本質

サッカーは予測のできない複雑なスポーツですが、見方次第ではとてもシンプルです。
サッカーを始めたばかりの子供に見えているのは後者のシンプルな側面でしょう。
単純がゆえにどの年代でもサッカーは楽しいのです。
子供の感覚は非常に鋭く、サッカーを続けていると忘れがちなサッカーの本質を捉えています。
サッカ-の本質とは、「ゴールはコートの真ん中にある」や「ゴールを守って、ゴールを奪う競技である」など当たり前のことで、誰しもが本能的に理解しています。
重要性

サッカーは判断力を問われるスポーツですが、
瞬時の判断に「チームの方針」や「監督の教え」などは関係ありません。
シンプルなサッカーの本質に沿って心で動くのです。
その”心”を”行動”に素早く的確に移すのが素直さになります。
それにより、
「ボールをやみくもに蹴り飛ばす」なのか
「視界に入った味方にパスをする」なのか
または「スペースにボールを運ぶ」なのか。
たくさんプレーの選択肢はあると思います。
攻撃でボールを受けた瞬間にイメージが浮かんでくるものもあれば、守備で相手から奪ったボールをとりあえず蹴り飛ばすだけの”その場しのぎ”もあるはずです。
そのすべてが「素直さ」による瞬時の判断の1つで、状況に適した素晴らしいものになり得るのです。
「素直さ」失ってしまう原因
この中で「素直さ」がなくなってしまう原因はだいたい次の2つです。
本質を見失っている

先ほども書きましたが、「ゴールは真ん中にある」が本質です。
一番の判断は迂回せずゴールまで中央突破、一直線なはずです。
しかしそれも考えずサイドばかりを見過ぎている子が多いように感じることがあります。
「コートを広く使え!」や「サイドから攻めろ!」など言ってしまってはいませんか?
このような本質から逸れた考えでは、素直さがあっても良い行動(プレー)には繋がりません。
おそらくこのような歪みは「勝たせてあげたい」という思いからくるのでしょう。
ボールを奪われない、負けない、も大事ですが育成年代では先のために失敗から学んでもいいのではないかと思います。

否定的な注意を受けてきた

自分の行動に対して「なんでそんなことしたんだ!」や「そんなことしなくていい!」など否定的な注意を受けすぎていると「素直さ」は消えてしまいます。
「これをしたら怒られるかも」などと人の意見や指示に依存的になるからです。
仮に「今このプレーをしたら状況が良くなるかもしれない」という思いがあっても、それを中々行動に移せず保守的な判断を取りがちになってしまします。
少年サッカーでの「素直さ」に関する例
1対1

よく教わるのは「リトリートディフェンス」。
相手に抜かれないように距離を取りながらついていくディフェンスです。
そして相手とボールの間に身体を入れて奪う。
駆け引きの1つとしてこれもありなのですが、今一度よく考えてみてください。
奪ったときに多くの人が後ろ向きですよね。
そして海外サッカーではあまり見ません。
タイミングを見計らって一発で前向きに奪えた方がチームにもたらす得が大きいからです。
サッカーを始めたての子供はこれをよく知っています。
だいたい一発で取りに行きますよね。
でも本当はそれでいいのです。
それを繰り返すうちに奪えるタイミングや駆け引きを学んでいくからです。
どうしたら相手にかわされないかではなく、どうしたら相手から前向きにボールを奪えるかを考えなければなりません。
マークの仕方

相手選手をマークするときには原則があります。
ここでは割愛しますが、この原則が通用しなくなる時もあります。
例えば、相手のゴールキーパーがゴールキックを蹴れないときなどです。
どう考えても裏を取られないことが分かってしまえばマーク原則など関係ありません。
こういうことを考えるのは小学生でも全然できます。
考えるというより自然とそうなるという方が近いかもしれません。
教えてもらった意見(原則)に依存的にならずにしっかりと相手を見て判断できると良いですね。
上手い子に渡す

低学年の子が奪ったボールをチームの上手い子にパス。
何回奪ってもその子を探します。
これに対して「自分で行けよ!」や「ドリブルしたら?」など言ってないですか?
言わなくても大丈夫です。
なぜならアルゼンチンもバルサもメッシにボールを集めますよね。
それ以外でも、攻撃に特徴のある選手がいればボールを預けるのは普通のことです。
子供たちは勝ちたいばかりです。
大人の勝利至上主義は良くありませんが、子供が勝ちにこだわるのは自然なことです。
それなのに上手い選手へのパスを否定するということは、「勝ちにいかなくていい」と同義です。
その後少し大きくなってから「お前たちは勝ちたくないのか!」なんて怒られてしまうともうパニックです。
勝つためにプレーしていいのか、それよりも自分でプレーしたほうが良いのか。
言葉にはなりませんが子供の心の中では矛盾に戸惑っていることでしょう。
楽しくなって上手になれば自分でプレーするようになります。
しかし失ってしまった感覚は簡単には取り戻せません。
サッカーは年齢に関係なくつながっているのです。
「この年齢ではこういうプレーをさせて、ここでは勝ちに向けて...」
このような考え方は早く上手くさせたい大人のエゴです。
長期的な目線を持ちましょう。
まとめ

この「素直さ」が海外サッカーと見比べたときの力の差であり、楽しさの差かなと感じています。
日本の子供がもっと素直にプレーして、荒削りだけどチャレンジングで面白い、子供らしい試合が増えることを願っています。
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