サッカーをする上ではどんな能力もあるにこしたことはありませんが、なかなか綺麗で大きなパラメーターとならないのが人間です。
最近では「技術も特徴の1つ」などと言いますが、その特徴の中で最も分かりやすいものの1つが「スピード・足の速さ」でしょう。
そして昨今のサッカーのトレンド的にもフィジカルを基盤としたダイナミックなサッカーが人々を魅了しています。
エムバペ、サラー、ウォーカー。
数多くの選手がスピードを武器にトップクラブで活躍しています。
日本で言えば伊東純也選手や三笘薫選手などもスピードを特徴とする選手と言えるでしょう。
そして指導者の中ではこのようなことが度々言われます。
「遅いと言っても、一定レベルのスピードはなければならない」
しかしながら、はたして本当にスピードがサッカー選手にとって必須の能力なのでしょうか?
また必須なのだとしたら、どれくらい速くなれば最低ラインを超えることができるのでしょうか?
気になるところかと思います。見ていきましょう。
最低でも50m6秒必要⁉

毎年のようにサッカー選手の「最高スプリント回数」や「最高速度」が発表されますが、以前プレミアリーグでの「最低時速ランキング」が世間を賑わせました。
2016年の古いデータですが参考までに見てみましょう。
最も遅かったのがチャーリー・アダム選手で26.72km/h。
そしてその後は10位まで28.5〜29.5km/hくらいの幅で収まっています。
つまり「遅い選手」の定義としてはこのくらいの速度がボーダーラインとなるのでしょう。
時速30km/hは50m6秒で走る?
ここらで皆さんの分かりやすい数字で置き換えておきましょう。
単位の変換など説明が面倒くさいので計算は省略します。
まず50mを8秒で走る子の速度は、速度=距離÷時間なので、
50m÷8秒で22.5km/hとなります。
このレベルでもそこそこの速度が出ているようです。
先程の遅い選手の中央値を29.0km/hとするとそれよりたったの6.5km/hしか変わりません。
車で軽くアクセルに足を置いただけで出そうな数字です。
またこの8秒と言う数字、小学6年生男子の全国平均が8秒後半くらいなので運動をしている小6男子ならざらにいる数字です。
次に7秒で走る場合を考えてみましょう。
こちらも中学3年生の平均タイムが7.5秒くらいなので、そのくらいの世代ではある程度いるはずです。
50mを7秒で割ると25.71km/h。
これでも「遅い選手」を超えられません。
次に50m6秒。
これはなんと速度30km/hです。
つまり計算上50m6秒が「プロ並みの走力」と言えそうです。
サッカーでは50mも走らない。結果、誰でも最低ラインは超えられる

ここまで読んできてあまり数字にしっくりきていない人も多いはずです。
それもそのはず。
サッカーでは50mも走ることは多くありません。
最近では勝負どころで必要とされる能力ですが、それでも試合全体で考えればだいぶとロングスプリントです。
また助走ありのサッカーでは50m走とは条件も異なります。
先程計算した50m7秒での時速は、スタートを切ったところから徐々にスピードを上げ、ゴールするまでの平均値です。
そのため最高速で時速30km出すとするなら、50mを6秒”台”で走れる人であれば可能との見方もできるはずです。
つまり大人であれば誰でも速度の最低ラインを突破できる可能性があると言えるでしょう。
スプリントの定義

ちなみにサッカーにおいてよく使われる「スプリント回数」ですが、いったいどれくらいの走りを「スプリント」と捉えているのか知っていますでしょうか。
これは「時速25km以上のスピードで1秒以上走る」ことを言います。
25km/hといえば中学3年生の平均的な速度でしたね。
50m7秒。
そんなスピードで1試合中に20回も30回も走るのがプロサッカー選手です。
『遅い選手』が活躍するにはポジションも重要?

冒頭にお伝えした遅い選手のランキングですが、選手のポジションを見ると面白いことがわかります。
なんとほとんどの選手がセンターフォワード、もしくは中盤の底「アンカー」や「ボランチ」と呼ばれる選手だったのです。
しかしセンターフォワードの選手は屈強なフィジカルを特徴とした選手が主だったため、『遅い選手』が活躍するポジションとしては『中盤の底』がベストと言えるでしょう。
確かに日本でも遠藤保仁選手や中村憲剛選手など、自ら「足が速くない」と口にする選手がボランチなどで活躍する例は多いように感じます。
まとめ:平均的なスピードであれば気にする必要ありません

中学生男子の平均が50m7.5秒。
これは運動していない人も含むので、ずっとサッカーをやっている子は成長に遅れがない限りだいたい7秒近い記録は出るはずです。
そしてその後も成長は続き、尚且つ筋肉もそれまで以上についていくことでしょう。
間違いなく大人になるにつれ速くなります。
『遅い選手』の速度が30km/h、これを6秒台の選手であれば到達できるとすれば、運動を続けたほとんどの男子が速度の最低ラインを突破できるということになります。
外野からの不安な声だけが特に強く聞こえてきて不安になるかもしれませんが、大人になれば子供の時のほぼすべての問題が解消されます。
たとえ劣っている部分があろうとも、根気強く闘っていきましょう!
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