教育・子育て

親のエゴが作り出す才能が子供を苦しめる

才能のある人達の中には特殊とも言える人間性を持った人が少なからずいます。

なにかに没頭すると外の声が聞こえなくなる人。

興味関心のあること以外は無頓着で生活もままならない人。

狂ったように自身を追込み、目標達成に対する執念が強すぎる人。

これらは常人には理解できない考え方で、真似をしようとしてもおおよそ難しいはずです。

しかしこのような天才的なパーソナリティを持った人の中には幼い時にひどく苦しい経験をしていることもよくあると言います。

貧しい家庭や地域に生まれ、不遇の幼少期を送っていた選手。

家庭環境の悪い中育った選手。

戦争中の国で生まれ育った選手。

このようなエピソードはしばしばその選手の成功を輝かせるために使われたりしていますが、その逆に悪い環境をあえて作るなんてことは非常に馬鹿らしいことですよね。

もし今自分の子供に厳しくしていることがその子の才能を伸ばしているはずだと思う方はこのような問題と我が子の状況を少し重ねてみてください。

苦しさの度合いは違うとはいえ、強い精神的負荷を与えている状態には変わりありません。

そして当たり前ですが普通の幸せな家庭からもスタープレーヤーは山程出ています。

強い引きのあるエピソードだけに引っ張られず、子供の人生全体を考えられる親を目指すことがサッカーでの成功への近道になるでしょう。

軽い虐待状態が子供の一部の能力を引き出す⁉

先に言っておきますが、これは決して良い意味ではありません。

この事によってより多くのものを失うからです。

この大前提を忘れずに読み進めて頂ければと思います。

子供らしくない能力を発揮する『小さな大人』。それでも本人たちは異常に気付けない

みなさんの周りにこのような子はいませんか?

・文句も言わず言われたことに対して黙々と取り組める子供

・自己犠牲の考え方が強くいつも身を削って何かに取り組む子供

これらは幼くしてサッカーを半ば強要されている子供に多いです。

しかし本人含めその親もその事に気づいていません。

子供は「サッカー選手になりたい」といい「親は子供の夢を応援している」と言ってしまうのが厄介なところです。

親はその子供に対して「サッカーをやってほしい」と潜在的に強く考えており、ごく自然な形でサッカーをする環境を作り上げている気でいます。

しかし子供はその潜在意識をひしひしと感じており無意識に親の望む行動を取り始めます。

それが『サッカーに打ち込むこと』になってしまうのが悲劇の始まりです。

上手くいく序盤。つい厳しくなる態度がより問題を悪化させる

このケースではほとんどの家庭で最初はうまくいきます。

技術は他の子よりも早く成長し、それにより自信も持てるからです。

この時の子供にはそこまで大きな問題は起きません。

問題が起き始めるのは親の変化からです。

どんどん上手くなる子供。

その口からは「プロになりたい」という言葉が聞こえます。

しかし上には上がいるのが世の常です。

そんな状況につい声を荒らげたり、比較して伝えたりしてしまうのです。

「そんなんじゃプロになれないぞ!」

「あのチームの10番の子は試合のないときも練習していたぞ!」

みたいなところでしょうか。

ここから先のやり取りはご想像にお任せします。

それでも伸び続ける才能。難しくなるのはレベルが高くなった時

しかし親に罵られようと、厳しいトレーニングの量が増えようとも子供は見かけ上の成長を続けるかもしれません。

難しくなるのはもっと先です。

まわりの技術レベルも高くなり、高度な戦術が試されるようになってきた時に重要になってくるのはその選手の性格や思考です。

そこでは孤独に努力を続けることや、強すぎる献身性などは邪魔になることも多いのです。

また親からの愛着形成がなされなかった人や、軽い虐待状態にあったような人には大人になってから発達障害的な症状が出ることもある、なんて話もあるくらいです。

これらの壁を10代後半の子供が取り払うのは至難の業です。

もっと言えばこれに加えて、怪我や成長の阻害などもリスクとして考えられます。

一番良いのは『共にサッカーを楽しむ環境』

この問題の唯一救える点としては、親もサッカーが大好きだということです。

しかしそれをねじ曲がった形で、しかも子供に向けて表現してしまったがために問題が悪い方向へ進み出しました。

親が子供を誘導せずとも子供は常に親を見ています。

親を模範として社会構造を学ぶようにできているからです。

そのため親はなにか子供に影響しようとせず、ただ今まで通り夢中でサッカーを楽しめばよいのです。

週末に楽しそうに観戦している姿や、ボールを蹴ると喜んでくれるその姿が子供を自然とサッカーに向かわせるでしょう。

もし向かわなかったとしても他人は他人。自分は自分です。

『スポーツを楽しむ』という部分は伝わっているはずです。

それだけでも子供の人生を豊かにしたと言えるのではないでしょうか?

すべてをコントロールしようとするところから親子関係は崩れ、子育ても失敗へ向かいます。

希望は持ちますし期待もしますが、それに沿わなかった時も「あぁ、そうか」と受け入れられるほうが親としては魅力的だと思います。

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まとめ

子供の夢を応援することはその道のりを簡単にしてあげることではありません。

もちろん難しくすることでもありません。

親としての役割を果たし、子供に声をかけ、話を聞いてやる。

このくらいではないでしょうか。

子供は子供らしくしていたほうが必ず成長します。

子供らしくすることで成長につながる経験をたくさん出来るように遺伝子に組み込まれているからです。

サッカーという視点だけで子供を見すぎると失っているものに気づきにくくなってしまいますので、広く長い目線で子供の成長を見守りましょう!

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