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高校サッカー選手権にみる『ユースor高校サッカー問題』の新展開

史上稀に見るスター選手揃いの第101回高校サッカー選手権大会は岡山学芸館高校が初の優勝に輝きました。

どの戦いも非常に熱く、気持ちのこもったプレーばかりでワールドカップ後の喪失感を吹き飛ばしてくれましたね。

そして負けたら終わりのトーナメント戦という形式もあって、とても特徴的な闘い方が多く見られました。

この記事ではその闘い方の良い悪いではなく、どういうメリットがあってどういうデメリットがあるか。対してユースはどのようなメリットが挙げられるかなどをまとめ、これから進路を選ぶ子供に保護者さんからアドバイスしてもらえればと思っています。

結論から言うと高校サッカーにはユースやその他強豪と呼ばれるチームにはないメリットがたくさんあり、この2つの進路があるからこそ色々な個性を持った選手が出てきてくれるのだなと思っています。

つまり高校とユースの両輪があってこそ日本サッカーは強くなるということです。

我が子の個性は何で、どちらに進む方が良いのかこれを機に考えてみましょう!

高校サッカー選手権の特徴的な闘い方

ビルドアップはしない

優勝した岡山学芸館の特徴の一つがこれかと思います。

別にこれ自体を悪いと言いたいわけではありませんのでそのあたりはご承知おきください。

そしてこの手法は今大会を通してもよく見受けられました。

チーム全体で押し込まれた形を好まず、ディフェンスラインの選手は前線へのロングボールを多用していましたね。

しかし以前から懸念視されていた中盤を省略するような単純なロングボールのサッカーというよりも、コートを3分割した時の守備的な3分の1、俗に言う『ディフェンディングサード』でのプレーを避け『ミドルサード』や『アタッキングサード』でプレーするように心がけていたように感じました。

一回負けたら終わりのノックアウトステージならではの闘い方だと思います。

フィジカル強化に対して余念がない

ロングボールからの押し上げを可能にする最も重要なファクターがこれでしょう。

岡山学芸館のみならず、青森山田高校やその他強豪校にも高校生離れした体格の子が多いように感じました。

フィジカルコーチを置いて正しい筋力トレーニングを行えるようにしていると聞いています。

これにより高校サッカーのレベルは以前より一段階上に進んだと言えるのではないでしょうか。

ゴール前を固めない守備と積極的な崩し

各チームが自分たちのスタイルを貫いていいたことが印象的でした。

ワールドカップなどでも格下が格上に対して自陣まで引き、ゴール前に集結するような守備があったので今大会もそのような形が増えるかと予想していましたが思っていたほどではありませんでした。

これは連戦のため、あまりハードなアップダウンができなかったのかなとも思っています。

また攻撃面では、相手守備陣のスペースを逃さず上手についているように感じました。

セットプレイで「ごちゃごちゃ…ドンッ」みたいな形より積極的できれいな崩しも多く見られたのではないでしょうか。

これもアタッキングサードでのボール保持が多くなったからこそだと思います。

特徴から考える高校サッカーのメリット

メリット1:ロングボールに対する競り合いが強くなる

どうにかロングボールでアタッキングサードにボールを運びたいわけですから、味方のキックを拾わなければいけません。

落下点の予測、競り合う時の駆け引き、フィジカル、これらの要素は確実に高校サッカーのほうが鍛えられるのではないでしょうか。

高校サッカーに『闘える選手』が多いのもこれが一つあるのかもしれません。

メリット2:ゴール前で特徴的な選手が多くなる

後ろからのビルドアップはありませんが攻守に渡りゴール前での闘いが多く繰り広げられるため、守備の選手も攻撃の選手もゴール前でのクオリティが高いです。

試合時間のほとんどがコートの中央付近で行われる試合に対して、このような試合を繰り返している選手たちはゴール前でのパターンや勝負感が養われています。

まさにこれがユースにはない一番の違いではないでしょうか。

メリット3:闘える中盤の選手が育つ

中盤の選手といえば技術的な上手さに目が行きがちかと思いますが、今大会では競り合った後のボールを拾うために上下運動を繰り返し、球際を激しく闘える選手が多く見られました。

ビルドアップが少ない分、そのような闘いの経験値は間違いなくその選手たちの力になっています。

いかにこぼれたボールに反応できるか、いかに五分のボールを恐れずに取りにいけるかという闘いの中では今大会に出場した選手たちが間違いなくトップです。

進路を考える時、ポジションではなく自分のプレースタイルを考える

これらの特徴とメリットを見た時に、「FWなら高校サッカー!」「中盤はユース!」なんてことは言えないことが分かります。

同じ選手がたくさんいてもサッカーは面白くありませんから、自分の長所を磨くための選択をするべきだと思います。

ゴール前で勝負したいストライカー・ウィンガー・トップ下など

先ほども挙げたように、アタッキングサードでのプレー回数が増えるため最終局面でのクオリティは磨かれていくはずです。

「点の取れるストライカーになりたい」

「個人で打開できるウィンガーになりたい」

「最終局面で違いを出せるMFになりたい」

など考えたときには今回のようなサッカーを見せてくれたチームはとても魅力的ではないでしょうか。

空中戦を武器にしたいCB

ロングボールが多用される時に、それを無効化できるのは高くて強いDFの選手です。

あらゆるFW相手に何千何万回と空中戦を闘える高校サッカーはそのような選手も育ちやすいはずです。

またセットプレーでのチャンスも多くなる選手権では攻撃面での成長も見込めるはずです。

「技術はいずれ身につくもの」と割り切って高校サッカーで日本人離れした空中戦の強さを身につけるのも一つの手ではないでしょうか。

また話が違いますが、DFラインからのロングフィードの精度を磨けるのも高校サッカーの良さですね。

忘れてはいけないデメリット

ここまで全力で高校サッカーを推してきましたが、ユースと比べる時に忘れてはいけないのが、プロとの近さです。

プロと練習ができる、話ができる。

プロを身近で感じられる。

昇格の可能性がある。

など高校サッカーには有り得ない大きな特典があることは忘れてはいけません。

ユースに行けるのに「ゴール前で闘えるFW になるために高校に行きます」なんて言われたら止めたくなる気持ちがあるのも正直なところです。

まとめ:高校サッカーは日本国内の「南米サッカー」

ヨーロッパのクラブが南米の選手を欲しがるように、特徴的な環境で育った選手はそうでないところから必ず欲しがられます。

Jクラブが高校サッカーから取りたくなるのもそういう部分が大きのではないでしょうか。

日本にいながら、日本のスタンダードから外れる。

そんな高校サッカーはやはり大きな日本の力です。

是非これを機に自分の特徴とは何かを考えてみてください。

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