技術・考え方

『違い』を生む選手を目指す上で最も重要なこととは?

現在のサムライブルーの中には、外国人選手とも対等に渡り合えるフィジカルをもった選手が多くいます。

フォワードの上田綺世選手、ディフェンスラインでは冨安健洋選手、キーパーの鈴木彩艶選手などはその筆頭ではないでしょうか。

しかしそのような選手たちとは別にあまりフィジカル的な特徴のない選手たちも選出されています。

古橋亨梧選手、南野拓実選手、久保建英選手、旗手怜央選手などです。

いずれも身長が170cmを少し超える程度で、それほどスピードを武器に売っている選手でもありません。

このような選手たちは、同様にフィジカル的な特徴のないサッカー少年にとってはとても良いお手本であり、憧れの的にあたるのではないかと思います。

それではなぜこのような選手が選ばれるのでしょうか?

それは攻撃、もしくは試合そのものに『違い』をつけられるからに他なりません。

『違い』を生み出す選手が持っているもの

『違い』というのは「他の選手が出場したときと比べて」という意味でもありますし、「その選手を経由しなかったときと比べて」でもあります。

ようはその選手がいることで何かしら想像もしないような現象が起こるということです。

誰も想像しなかった打開策や相手の裏をかくトリックプレー、はたまた一瞬で守備網を突破する洗練された技術的なプレーなどです。

このようなプレーを継続的に表現できる選手こそが『違い』を生み出す選手と言えるのでしょう。

それではこのような選手に共通するものとは何なのでしょうか?

すぐ挙がる要素としては高い『技術力』がありますね。

イメージを実現するためには技術力は必須です。

次にイメージするための『発想力』が必要になります。

『クリエイティビティ』なんて言ったりもしますね。

この力があるからこそ他の選手にない価値が生まれるのです。

加えてそれらを「実践しよう」と思える『精神力』が必要になります。

なにか奇をてらったプレーをして「色気を出すな!」や「シンプルにプレーしなさい!」などと言われるのは育成年代であれプロであれ同じかと思います。

しかしそのようなリスクを負うからこそできるプレーでもありますし、またここにも他の人ができないという価値が生まれます。

無難にプレーすればできるところで仕掛けるにはそれ相応の『度胸』が必要です。

『技術力』『発想力』『精神力』を持った選手は多い⁉

しかしここまで見てきて「うちの子は当てはまるぞ!」と感じた方多いのではないでしょうか?

もしくは「こういう選手結構いるぞ?」と感づいた方もおられるでしょうか。

そうなんです。

実は日本にはこのような選手が育成年代でも数多くいて、今も昔もこの量産体制は変わっていません。

一昔前だと「10番タイプが多すぎる」なんて問題もありました。

サッカーを習い始めた子供にコーンドリブルやリフティングなどをとりあえずやらせる文化も全国的にはあまり変わっていないかと思います。

そのような事もあって、日本では『技術力』『発想力』『精神力』に長けた子供はたくさんいるのです。

その中で活躍できる選手とできない選手を分けるものとは?

前述した『技術力』『発想力』『精神力』のある選手を「クリエイティブな選手」と言い換えましょう。

この「クリエイティブな選手」の中でも冒頭で名前を上げた代表選手のように活躍し続けることのできる選手と、カテゴリーが上がるに連れて活躍できなくなる選手がいます。

その差とは一体何なのでしょう?

そのような選手であればボールを受けたときに何かしらの『違い』を継続的に生み出すことはできるでしょう。

しかし何かが足りないのです。

よく言われるのは「守備での貢献度」の問題です。

しかしこれも言われて久しい話で、多くの選手が前向きにトライしているはずですので今や問題とは言えないでしょう。

そもそも守備の話は7割くらいはセオリーや原則、努力量や献身性などでクリアできます。

要はほとんどは頑張ればできる話だということです。

「クリエイティブな選手」に必要な要素、それは『結果』です。

上手さや華麗さを評価されすぎて『結果』見失う

チームに所属する「クリエイティブな選手」によるパスからチャンスが生まれたが決まらず、その後も自らゴールに迫り相手を欺く圧巻のプレーを見せますがノーゴール。

このような試合よく見ませんか?

いくら素晴らしいプレーを見せたとしてもこれでは求める「勝利」は手に入りません。

この原因をその周りの選手に向けられることが多いですが、その結果この「クリエイティブな選手」は消えていきます。

しかし周りの観客やチームメートはその選手を評価するでしょう。

ですが残念ながら監督やその他スタッフはそうはなりません。

チームの勝利こそが最優先事項であり、その目的に届かないのであれば修正を施さなくてはならないからです。

皆さんの頭に思い浮かんだ親しい「クリエイティブな選手」のゴール数・アシスト数はいかがでしょうか。

その結果によってその選手の今後はおおかた予想できるかもしれません。

「クリエイティブな選手」はその過程に眼を奪われがちです。

しかし本当に大事なのは「その持っている力によってどのように結果を手に入れるか」になります。

「クリエイティブな選手」が悪いわけでもなければ、サッカーが変わったわけでもありません。

そのことは身長170cm強の代表選手たちが証明してくれています。

大事なのはいかにゴールを決めるか、または味方に決めさせるかであり、それこそが日本人が「海外では結果を求められる」という所以なのではないでしょうか。

『違い』を生む選手を投入するということは『結果』を求めるということなのです。

結果のでない上手い170cmよりも無難な185cm

『違い』を生み出す選手を起用しチャンスにはなるんだけれどもなかなか得点につながらない。

このような状況では1失点の比重が必然的に高くなります。

1失点で試合が終わってしまいかねないからです。

そうなると前線に「クリエイティブな選手」を置いておくことはできません。

あまり『発想力』も『技術力』も高くない185cmの選手がいればそちらを起用したくなるはずです。

セットプレイでのピンチが減り、チャンスが増えるからです。

それ以外にも相手に与える圧迫感は大きく変わりますし、チェイシングでの迫力も変わってきます。

もちろんフィジカル的な有利を活かしてボールを奪うことも増えるでしょう。

そのような選手に託す方が監督的にも楽で安心だというのが正直なところです。

まとめ

よく「サッカーの楽しさを知ってもらうために…」といって前述したような「クリエイティブな選手」を育てようとされる方を見ますが、子供がサッカーの本質や目的を見失わないように要注意です。

個人的にはサッカーがそもそも魅力的な競技なのでそのように楽しめるような計らいは必要ないように感じています。

上手いほうが自信もついて楽しいはずだという親心も分かりますが子供の成長度合いを比べるのはかなり不毛なことなのではないかなと思います。

サッカーの記事を書いておいてなんですが「サッカーなんて大した問題じゃない」くらいに認識し直すことも大人として大切なことなのではないでしょうか。

子供がサッカーを見失わないように、またサッカーを楽しめるようにサポートしていきましょう!

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