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【サッカー日本代表】ドイツ・トルコ戦から学ぶパーソナリティーの重要性と『落ち着き』について

先日の日本対トルコ代表の試合、ドイツ戦に続き大量得点でまさに「新しい時代」を感じさせてくれました。

多くの選手が欧州トップリーグで活躍しており、強豪国相手でも一切引けを取りませんでした。

そんな中でも私が異質に感じたのはドイツ戦に出場した鎌田選手。

自分たちの成長を示す大一番にも関わらず一切肩に力の入っていない余裕のプレーでした。

これが彼の1つの特徴的なパーソナリティ(個性・性格)と言えるでしょう。

対戦相手からするとプレッシャーがプレッシャーになっていないような”空振り感”すらあったのではないでしょうか。

あのようなプレーは「焦らせよう!」としてくる相手からしたら嫌なものですし、チーム全体の視界が広がる重要なプレーでもあります。

ただ技術レベルが高いだけではなく、そういった副産物も生み出せるのが鎌田選手の”飄々とした”プレースタイルであり『パーソナリティー』です。

今回はそんなパーソナリティーの重要性とその中の1つである『落ち着き』についてお話しようと思います。

パーソナリティーの裏と表

まず初めに言っておきますがパーソナリーティーと言うのは捉え方次第で良い方にも悪い方にも転ぶものです。

鎌田選手のような振る舞いはチームに大きな影響を与えますが、もしその時にボールを奪われでもしたら味方の選手もしくは監督はどう感じるでしょう。

抵抗もせずあっさり奪われてしまう姿に「なんでそんなに簡単に奪われるんだ!」と理解に苦しむのではないでしょうか。

しかしこれも1つのパーソナリティー。

個性には裏表があるのが当たり前なのです。

そのためここで大事になってくるのは「こうあるべきだ!」と考えるのではなくそのままの個性を受け入れてあげることです。

トルコ戦で久保選手が示したパーソナリティー

もう一人特徴的なパーソナリティーを覗かせた選手がいました。

それが久保建英選手です。

この試合での久保選手の評価は軒並み高く、言わずもがなだとは思いますがぜひもう一度見ていただきたいのが序盤の慌ただしさを一変させたプレーです。

開始直後のゲームはどちらのボールとも言えない慌ただしい入りでした。

奪ったボールをパスしようともズレたり、弱かったり、反対に強すぎたり。

また、なかなか思い切った縦パスを入れれずサイドで追い込まれたりと、見ていて「ん?大丈夫か?」と感じてしまうものでした。

おそらく最初は相手の出方を伺う意向もあったかと思いますが、それにしても「成す術なし」といった受け方に見えました。

その状況を変えたのが久保選手のドリブルです。

相手をかわして前に進んでいくようなドリブルではなく、右サイドから左サイドに「そんなに慌てなくても、相手は出てこないよ」と相手の狙いを周りに知らせるような振る舞いでした。

あのプレーで狭くなっていたチームの視野が広がり、相手の足を止めたのです。

そしてその後ボールは久保選手が手で促した右サイドに渡り、伊藤敦樹選手の1点目に繋がったのです。

また試合開始から全力でボールにチェイスし相手に本気度を示すプレーや、味方に度々話しかけるシーンも印象的でまさにピッチ上の『コンダクター(指揮者)』と言える存在感でした。

パーソナリティーの重要性

ここまでお伝えしてきた『パーソナリティー』ですが、サッカーの育成を考える上で軽視されがちです。

しかしチームや選手自身がトップオブトップを目指す上では必要不可欠なのは間違いありません。

サッカー選手を構成する一要素なのです。

サッカーも究極は人間性のぶつかり合い。

プロは当たり前にみんな上手いですからね。

行き詰まった展開で、

鎌田選手のようにチームに落ち着きをもたらせる選手。

久保選手のように打開案を提示できる選手。

一昔前であれば本田圭佑選手のようにチームに闘争心やプライドをもたらすことのできる選手もいましたね。

今あげた選手はすべてのパラメーターにおいて秀でているような選手ではありません。

しかし日本に必要な選手であることは間違いなく、大事な試合でこそ重宝されるはずです。

個性の押しつけがサッカーをつまらなくする

多くの人がスター選手の分かりやすい特徴を抽出して、そのパーソナリティーを我が子にも植え付けようとします。

「サッカー選手は貪欲でなければならない」

「エゴイストでなければならない」

「フリーキックやPKのボールは味方にわたしてはならない」

のようにです。

しかしそれでは子供の個性は潰れてしまいますし、それこそ日本で問題となっている

『子供の均一化』が起こりかねません。

すべての人間が少しずつ違うように、サッカーをする子供にも違いがあって当然です。

世間では「ダイバーシティ」という言葉が使われる事が増えましたが、サッカー育成においても「パーソナリティーの多様化」が今後を占う要素になるはずです。

『落ち着き』は日本人が持つ特徴的な個性⁉

今回は鎌田選手をピックアップしましたが、チームに『落ち着き』をもたらす選手は以前にもたくさんいました。

柴崎岳選手

遠藤保仁選手

中田英寿選手

小笠原満男選手

あまり感情を表に出さず良い状況でも悪い状況でも変わらないプレーを発揮できる選手たちです。

この「感情を表に出さない」という部分が日本人的なのでしょう。

同じように見えて違う個性たち

上記の選手を『落ち着き』のある選手として一括りにしましたが、同じようで中身は意外と違いますよね。

鎌田選手は少し「悪ガキ感」がありますし、遠藤選手には「ゆったり」したイメージがあります。

このように同じ括りの中でもそれぞれが違うため、安易に自分の子供と似た特性選手に当てはめるのは危険なことなのです。

それぞれが育ってきた環境や家族構成、経験してきたことなどで少しずつ違うわけですからあくまで「自分は自分」と考えることが大切になるでしょう。

子供を蝕む危険な「ラベリング」

ここまで良くない例として、おおよそ多くのスター選手に当てはまる特徴を子供に植え付ける「押し付け」と、

似通った選手とわが子を重ねる「当てはめ」を挙げました。

いつも言いますが親の影響力は良くも悪くもその子供にとって途轍もなく大きいものです。

また時として親の言葉が「ラベル」のように働くこともあり、これはとても危険です。

例えば、人は「優しいね」と言われると「優しい自分」であろうとしてしまいます。

これが心理学で言うところの「ラベリング」です。

そして親の「押し付け」や「当てはめ」のせいでラベリングされ、子供が自分にないパーソナリティーを無理に発揮しようとして苦しむことがあります。

親があまりにも子供のパーソナリティーに口を出すのは「百害あって一利なし」です。

子供の個性を引き出す「声掛け」

子供の個性を引き出すためには、親の「こうあって欲しい」や「こうあるべきだ」は一旦排除して、子供をしっかり観察することです。

その上でその子の個性を良い言葉に言い換えて伝えてあげましょう。

「甘やかし」にも聞こえるかもしれませんがそもそも個性は表裏一体です。

良い面もあれば悪い面もあります。

例えばあまり好戦的でない性格なら「〇〇は優しいね」で良いのです。

「もっと闘わないと!」や「悔しくないのか!」などは意味を成しません。

また「優しさ」を伸ばせば、それが状況によって「強さ」にもなります。

そこまで待って、もしそうなった時に「強くなったね」と言ってあげることが子供の成長につながるのです。

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