サッカーの早期教育化は依然として続いており、今後の日本サッカーを考える上で大きな問題の一つになることでしょう。
日本では勉学にしろ何にしろ早期での詰め込み競争に激化しがちです。
今回の問題提起はそんな早期詰め込み教育で選手に起こる弊害についてです。
良かれと思ってはじめ、周りもしているからと慣れていくと、いつ間にか想像していたゴールとは真反対にたどり着いてしまうかもしれません。
そうならないためにもぜひご一読していただければと思います。
早期詰め込みの現状
現在では受験勉強よろしく、サッカーも早期教育かが進んでいます。
小さいときから「ボール遊び」と称したトレーニングにさらされ、いざサッカーを本格的に始めると次々とイベントやスクールなどでスケジュールはパンパンになります。
もちろん上記のような子ばかりではありませんが、週3回の練習に週1〜2回の試合をこなす小学生なんてザラに居るのが現状です。
もちろん周りの誰よりも早く上手くなります。
大きな自信もつくでしょう。
しかしこの状況は本質的ではありません。
初めてボールやサッカーと言うスポーツを見た子どもが、「自分もボールを自由自在に操りたい」なんていきなり思うでしょうか?
おそらくはじめはボールそのものに興味が湧いたり、「自分も蹴ってみたい」と思うくらいです。
そこには大人の恣意的な関わりが間違いなく加わっており、これが後の問題を引き起こします。
サッカー遊び時間の減少が起こる2つの理由
早期詰め込みでおきる最も大きな問題の一つに「サッカー遊びの時間が減る」というのがあります。
(サッカー遊び減少の裏にはサッカーのできる公園の減少などもありますが、今回は考えません。)
遊びの中のサッカーではクラブでする以上に自由なプレーをすることができます。
好きな選手の真似をしたり、サッカー漫画の真似をしたり、友達を笑わすためのプレーをしたりと様々なチャレンジがあり上達する要素が詰まっているのです。
また自ら進んでやっていることも良い方向に大きく働きます。
よりサッカーが好きだと実感できますし、サッカーをするうえで必要なサッカー以外のことからも学びがあります。
時間の減少と「教わる」マインドセット
そんな大切な遊びが失われるのには大きく2つの原因があります。
一つはとてもシンプルな可処分時間の圧迫です。
子どもの時間はそのほとんどが睡眠と学校に当てられているため、ただでさえ少ない上にサッカーを詰め込むものですから時間がなくなるのも当然です。
また多感な時期でもあり、様々なものに興味を示し飛びつきます。
ゲームやYouTubeなどはその最たるものでしょう。
友達との関係もありますからこの時間も仕方ありません。
そして2つ目は「教わる」マインドセットです。
早期詰め込みでしかサッカーをしたことない人はサッカー=習い事です。
遊ぶという意識がそもそもなく、サッカーをするためにはクラブに行かないといけないし、クラブにはサッカーを学びに行くのだからサッカーとは教わるものだ、と無意識に解釈してしまっているのです。
「教わる」マインドセットが良くない理由
このマインドの子は実はとても指導しやすいという一面もあります。
サッカークラブがサッカーを教わるところであることには違いないし、はなから塾のように学ぶ姿勢できてくれるのは指導者としてはとても楽です。
しかしそれと同時にいずれは難しい場面が訪れることも予測できます。
何でも「教わろう」とする子は自分で解決ができません。
例えば試合で上手くいかなかったら、必ず聞いてきます。
「ここが上手くいきませんでした。どうすればいいですか?」
一見するといい選手っぽいですよね?
ですがこう考えた時どうでしょう。
県大会の決勝戦、その選手はサイドバックでスタメンです。
開始早々からその子のサイドを狙われて瞬く間に失点。
この子はプレーが切れた時に聞いてくるでしょう。
「上手くいきません。どうしたらいいですか?」と。
本当であればある程度は自身で内省してリトライしなければなりません。
それも能力だからです。
またわかりやすいミスなら良いですが、自分しか気づいていないような小さいミスはどうでしょう?
自分自身で直さないと、誰もそんなの気にしてくれません。
小さいミスについていちいち聞いていたら埒が明かないですしね。
もちろん初めのうちは人の考え方を知るために有効だったりしますが、それが習慣化して常態化していると問題は深刻です。
まとめ:草サッカーで自由な発想と問題解決能力を養う
遊びを通して「サッカーは自分でするもの」という大前提を最初に身につける必要があります。
もちろん指導によって上手くなるスピードは早まりますが、やはり自分事として捉えて自ら考えられる選手のほうが明らかに伸びが早いです。
以前もお伝えしましたが言葉は物事を抽象化した概念でしかありません。
100%「こうしてほしい」を伝えることは無理なのです。
そして指導者は全選手に働きかけます。
個々人に付きっきりではありません。
結局自分のことを一番良く考えられるのは自分ですし、自分を一番上手に動かすのも自分です。
自分の視界も自分だけのものです。
上手くなるための土台をしっかり築き上げましょう。
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