教育・子育て

成長を実感できる!苦手作らず『できる』を増やす方法

皆さん子供に何かを教えるということは課題を克服することだと無意識に考えていませんか?

しかしこの考え方は同時に子供に苦手を意識させることになります。

これは非常にもったいないことです。

今回は苦手意識を作らず、逆に子供の中で「できることが増えた!」と実感できる方法をお伝えできればと思います。

余談ですが、以前紹介した記事で早いうちから『わかる・わからない』の次元で話しすぎると子供は無気力になってしまうということも紹介していますので、よろしければご参考までに。

小さいうちは『できた・できない』で考えることが大切です。

心理学者の著書を参考にした内容となっております。

子供の好奇心を育む接し方~「できる」から「わかりたい」へ 我が子は好奇心を持っていますか? 無気力ではありませんか? 最近子供がは小さい時からサッカーを教え込まれているがために、無...

課題克服マインドが生み出す苦手意識

何か能力やスキルを高めたい時、課題を見つけそれに注力し克服するというのは自然な流れかと思います。

しかし対するは人間であり、加えてまだまだ未熟な子供ですので、そう簡単な話ではありません。

執拗に課題克服を迫るということは、子供に対して短所や不出来な部分を突きつけ、更には深くまで突き刺すことにもなり得ます。

こうして生じた苦手意識は技術やスキルの習得を遅らせ、スポーツにおける楽しいという感情も奪いかねないのです。

苦手を意識すると何がいけないのか

まずはじめに理解しておくべきは、子供はできないことだらけだということです。

定義にもよりますが、基本的に苦手などありません。

すべてがまだ『できない』だけなのです。

「激しく守備をしなさい」や「たくさん走りなさい」と言われる中で、自己暗示的な苦手が生まれるだけなのです。

「僕は守備が苦手だから、、、」

「私は体力がないから、、、」

と自分の能力に対してマイナスのイメージを持ってしまいます。

こうなってしまうと楽しくなくなりますよね。

本当であればどんどん成長を実感できるからサッカーは楽しいのに、

なかなか成長しない苦手に目を向けて、

『マイナスを0に戻すトレーニング』をするわけですから非常に酷な話です。

トレーニングの成果が『ようやく周りのみんなと同じスタートラインに立てるだけ』ではモチベーションも上がりませんよね。

苦手の理由を考え、言い訳しだすとさらにまずいことに

苦手克服を考えるデメリットはこれだけではありません。

苦手を突きつけられる状態が続くと

「守備に行ってぶつかるのが怖いから」

などと言い訳や理由付けのようなことを口にするようになります。

この『口に出す』という行為はとても自己暗示に陥りやすい危険なパターンです。

先程の「私は体力がないから、、、」というのも同じ状況ですね。

この結果、実際に守備の場面になった時に今まで以上に恐怖を感じてしまったり、試合終盤に疲労感を強く感じるようになります。

せっかく真面目に向き合ったのに口に出したことにより、強烈に苦手を意識するようになり、逆に克服から遠ざかる。

なんとも皮肉な状況が生まれてしまうのです。

苦手に対して言わなければどうなるのか

それでは逆に苦手に対して何も言わない状況を想定してみましょう。

これに関しましては私も実際に指導の現場でやってみたので実証済みです。

まず、苦手は解消されません。

当たり前の話ですよね、何も意識していないのですから。

しかし、苦手意識を持つこともないのです。

これも当たり前のことですが、この差はとても大きいように感じます。

50m走のスタートラインがみんなと同じか、5m後ろから始まるかくらいをイメージして頂けるとわかり易いかもしれません。

特別ではありませんが、劣等感を抱かせないことが重要なのです。

苦手との向き合い方

それではどのように苦手と向き合うべきなのでしょうか。

最近は放任主義的な手法も語られますが、先程も言ったとおりそれでは成長はありません。

何をするかというと『じっと見る』です。

つまるところ、『気長に待ってよく観察する』ということです。

『小さな成功』を根気強く待つのが親の仕事

それでは何を待つのか。

それは『小さな成功』です。

親から見て短所だなと思う部分があったとします。

その克服に繋がる『小さな成功』を見逃さないように常に気を張っておくのです。

相手は子供ですから気分が乗ったときにはいつもと少し違うプレーや振る舞いを見せてくれるものです。

そしてそれを見つけた時に、例えばですが、

「お!良い守備だね!そんな事もできるようになったんだ!」

「激しい守備だね!すごいな!」

と普段の感じで言ってみてください。

ここでの言い方はそれぞれの自然な言い方で構いません。

さらっと口からこぼれるようにいうのがポイントです。

プラスのイメージからスタートする

これであれば「守備ができない」という自己イメージではなく、

「守備が上手にできた」「もっと驚かせるようなことを守備をしてやろう(褒められたい)」と0からプラスの方向へ自分のイメージを保つことができます。

自分にないものを埋めようとするマイナスのスタートに対して、自分に新しい能力が身についてくるプラスの感覚では取り組む姿勢も変わってきます。

ここで重要なのはその子自身の能力は、その時点ではそれほど変わりがないということです。

「守備ができていない!」と言われている場合も、「良い守備だね!」と言われているときも、もっと言えば何も言われていないときも、能力値はそんなに変わりません。

変わるのはもっと先のことです。

どうせ同じ能力なら前向きにサッカーに取り組んでくれる方が嬉しいですよね。

やってはいけないこと

できていないことを褒める

褒めて伸ばす教育の間違いとして、『できていないことまで褒めてしまう』というのがあります。

これをやってしまうと『褒める』の価値が下がってしまい、大事な時に効果がなくなってしまいます。

子ども自身も何が本当に自分の成長なのかわからなくなってしまいます。

楽しんで取り組んでいたら、ふわっと声が聞こえてきて「たしかに今の自分のプレー良かったな」と思えるくらいが丁度いいのです。

「上手くなってほしい」「前向きに取り組んでほしい」という願いからすぐ褒めたくなる気持ちもよく分かるのですが、ぐっと堪えることをおすすめします。

あくまで小さくて本人も気づいていないような成功をじっくり見つけてあげましょう。

大げさに褒めすぎる

これは言う人のキャラクターにもよりますが、嘘くさくなることが多いです。

ここでの目的は子供に自分の成長に気づいてもらうことです。

喜ばせることでも、やる気を出させることでもありません。

それらは副産物であり、目的ではないのです。

まとめ

今回のお話はあくまで苦手克服に対してあまりにも執着しすぎると良くないというもので、課題を考えてそれにトライするのは至極真っ当な上達法です。

しかし『長所で突き抜ける』、『得意に没頭する』というのが育成に置いて一番最初にくる上達方法であってほしいと感じています。

少しテクニカルな内容でしたがなんとなく頭の片隅に「こういう接し方もありだな」くらいで残しておいていただければ御の字です。

サッカーの場面を例に説明しましたが家庭にも応用が効くはずです。

より前向きに楽しんでサッカーをする子供が増えることを祈っています。

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