子どもをサポート

阪神の「ARE」から学ぶ選手のメンタルマネジメント

サッカーはまだシーズン半ばですが、野球では各リーグの優勝が決まりましたね。

セ・リーグを制したのは阪神タイガース。

驚くことに阪神のリーグ制覇は実に18年ぶりとのことです。

時の流れを感じますね。

それ以外にもあるワードが阪神優勝と同時に多く取り上げられるようになりました。

それが「ARE(あれ)」です。

「優勝」を意識しすぎないように岡田監督が「あれ」と徹底して言い換えさせたそうです。

選手たちが「あれを目指して…」「あれできるように…」なんてインタビューに答える姿が面白おかしく切り抜かれてました。

初のリーグ優勝を果たした「ミラクルレスター」と重なる監督のマネジメント

これを見た時にふと思い出したのが2015/16シーズンに奇跡のプレミアリーグ優勝を果たした「ミラクルレスター」ことレスター・シティのラニエリ監督です。

シーズン中盤で好調を保つチームは「優勝」を煽られるのが常ですが、そこで「目標はあくまで40ポイント」と頑なに言い続けたのです。

「40ポイント」とは勝ち点の数字で、だいたいこれくらいの勝点を取れば残留できる、といったものになります。

実際にこのときのレスター・シティは昨年残留争いをしていたようなチーム情勢。

ラニエリ監督も就任1年目でチームづくりなんてできたものではありませんでした。

2チームに共通する「気負いのない雰囲気」

人間は目標に向かって努力はできますが、いざその大きな目標が手中に納まると分かったら身体は過度に緊張し、頭もクリアではなくなります。

「できたらいいな」が「ここまで来たら達成しなければならない」というプレッシャーに変わり、今までどのように勝利していたのかすら分からなくなるのです。

これを解消するのが「もちろん勝ちたいけど、負けたっていい」と思える心とそのための環境づくりです。

しかしプロでありながら「負けたっていい」なんて言えるわけがありません。

それを別の形で言い換えたのが岡田監督の「ARE」とラニエリ監督の「目標は40ポイント」なのでしょう。

「優勝を目指す」ということは「勝ち続けなければならない」ということです。

しかし「優勝」ではなく「AREを目指す」であればそこはイコールになりません。

屁理屈のように聞こえますが選手自身の心は間違いなく「優勝」と口に出すよりも遥かに軽くなっていたはずです。

目標は「言うこと」「書くこと」で強烈に意識する

余談ですが、よく「目標を紙に書いて目につくところに貼ると達成できる」なんて言いますよね。

受験シーズンなどにやったことのある方も多いのではないでしょうか。

最近は待ち受けにして意識している人も多いようです。

これは「言うこと」「口に出すこと」によっても同じような効果が現れます。

「書くこと」による意識強化のプロセスとは違いますが、何気なく頭の中で「できたらいいな」と思っているより何倍も目標達成に近づくでしょう。

しかしながら勝負が繰り返され、その都度結果を求められるリーグ戦のような場合は前述したようなプレッシャーが生まれやすく、結果多くのチームが失速して優勝を逃してしまうのです。

「勝ち続けること」は目標にならない

ここまでで分かるのは「勝つこと」自体は目標になり得ても「勝ち続けること」つまり「優勝」することは実質的な目標にならないということでしょう。

勝ち続けるにはチームの自信を維持し続ける必要があります。

しかし対策もされる中、長くは続きません。

自信というのは実際に同じような場面を乗り越えた経験無しにはつきません。

つまり全ての試合で先制点を挙げ勝ちor引き分けを得る(自信を失くす経験をしない)か、先制点を取られても毎回逆転勝ちもしくは劇的同点ゴール(悪い状況をひっくり返したという経験をする)を決めなければなりません。

メンタルマネジメントに秀でた町田ゼルビア黒田監督

実際に町田ゼルビアの黒田監督は7試合を「1クール」と考え、「1クールで15点」を目標として掲げています。

この考え方はメンタル的にも非常に理にかなっており、優勝を目標である以上に「結果」として捉えやすくなっています。

阪神の「ARE」のような引きこそありませんが、果てしなく長い道のりを戦う選手の感覚としては同じような心境に違いありません。

まとめ:子どもたちにもメンタル面のケアは重要

勝利至上主義があまりにも強くなりすぎると、責任を感じすぎたり、チャレンジングなプレーができにくかったりとデメリットが目立ちます。

そしてこれが負のループを生むと最悪です。

しかし先程の黒田監督のような区切り方や目標設定をすることで

「最近は勝ちが続いているからもっと思い切ったプレーもしてみよう!」

「もうすでにこのクールの目標には達したからチャレンジしてみよう!」

などと思えることもあるでしょう。

もちろん自チームの力や周りの力関係に配慮した目標のマイナーチェンジは必要です。

それこそラニエリ監督みたいに「残留が目標だから5試合中1勝か3分けくらいを目指そうね」といった肩の荷を下ろしてあげられるような設定も良いかもしれません。

…少し指導者寄りの話になりすぎましたが、このようなメンタルマネジメントは子供との間にも応用できるはずです。

大人でも勝ちが当たり前になるとつらいのに、子供がそれに耐えられるわけがありませんよね。

ましてやそこでの本領発揮なんてできません。

心を軽くしてやれるように心がけましょう!

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