教育・子育て

消極的な我が子、どうすればいい?

子供のサッカーの応援に行っている間についつい親のほうがのめり込んでしまうなんてことはよくあることです。

これ自体はとても素晴らしいことで、指導者としてもサッカーの力を感じる嬉しい出来事です。

しかし年齢が上がっていくごとにどんどん熱の入っていく親とは裏腹に、我が子の消極的な一面が見えて来ることも。

今まで通用してきた技術も相手の勢いと圧力に負けてなかなかうまくいかない子供。

そんな姿にがっかりしたり、感情的になってしまう親もしばしば見かけます。

叱ればいいのか、バツを与えればいいのか、はたまたご褒美で釣ればいいのか。

この記事でそのような疑問にお答えできばと思います。

絶対にやってはいけないこと

叱る、怒鳴る、注意する

これをしてしまう人がほとんどだと思います。

「しっかり走りなさい!」

「怖がらずにボールを取りに行かないと!」

「〇〇くんも頑張ってるでしょう!」

見に覚えのある方も多いのではないでしょうか?

しかし、これを言われたことで良くなった子を見たことがありません。

これらのデメリットは後述します。

物で釣る

これは

「頑張ったら〜を買ってあげる!」

「点を取ったらお小遣いあげるよ!」

といったことです。

そこまで多くはありませんが、

「最初のモチベーションアップにと思って、、、」

「少し頑張るきっかけを与えればその後は何をあげなくても楽しくなるはず!」

という意見を耳にします。

しかしこれが本質的な解決にならないことは誰にでも分かると思います。

これに対しても良くなった子を見たことがありません。

ただ問題はそれだけではありません。

この行動は親と子の関係上、非常に不健全なものです。

例えて言うなら労働者と雇い主の関係性に近くなります。

何かもらわないと何もしない。

言われた以上のことはしない。

そのうちストライキを起こす子もいるかもしれませんね。

冗談はさておき、このような不健全な親子関係を助長してしまうことは容易に想像できるはずです。

私はいつも点を取ったらお金がもらえるという子供には

「じゃあ点が取れなかったらどうなるの?」

と聞きます。

なぜなら私の感覚では、お金をもらえるのはプロサッカー選手だからです。

結果が出なければプロはクビになります。

点を取ったらお金がもらえるということは、点が取れない時に罰則を受けなければならないことの裏返しだと感じてしまうのです。

良い関係を継続しましょう。そのほうが長い目で見ると必ず良い結果を招きます。

サッカーから引き離す

これは言語道断です。

しかし私の周りでも何度かありました。

経済的な理由や家族の生活環境の問題ならさておき、子供が思い通りに動かないだけでこのようなことをするのは親といえどやりすぎです。

自分がどんな状況であれ、子供がサッカーを求めている以上は引き離したり、取り上げたりすることはあってはなりません。

サッカーは単に習い事というだけでなく、文化であり、娯楽であるからです。

チームを変える

これもたまに見かけますが、子供が思い通りにならないことをチームのせいにして

「厳しいチームを変えれば良くなるはず!」

「もう少しレベルを落とせばこの子も自信を持って頑張れるはず!」

となってしまうのです。

しかしこれも親の越権行為です。

子供が違うチームに入りたいと言わない限りは変えないべきですし、チームのせいにして辞める親子は次のチームでもだいたい問題を起こします。

指導者のネットワークも広いですから、指導者間ではすぐ話題になりますしね。

チームを変えるタイミングにつきましては以下の記事をご参照ください。

移籍を検討するべき条件とお勧めしないパターン 所属チームでのトラブルや、子供の成長の過程で移籍の二文字が頭に浮かぶことはあるかと思います。 今回の記事では移籍をするべき条件と...
チームに不満を持った時のチェックポイント 保護者と指導者が上手く噛み合わず、 チーム解散、 選手の流出(移籍)、 トラブル、 よく聞きます。 今回...

親からの言葉がその子のラベルになってしまう

最初の方に書きましたが、消極的な子が注意されて・叱られて良くなった試しがありません。

優しく言われた場合も同様です。

殆どの場合が、自分は弱いんだとマイナスの認識をしてしまって積極的になることがより難しくなります。

これは一種のラベリング効果のようなものかもしれませんが、暗示にかかったように消極的な行動・プレーをします。

自信がなくなり、それを口にも出し始めると更に自己暗示に。

その消極性がサッカーのみならず生活にも現れると最悪です。

逆に消極的でも保護者さんが優しく見守ってくれている家庭の子は、

続けるうちにどんどん変わっていきます。

基本的には子供は皆そうです。

根っこの性格はありますが、時の経過とともに別人のように変わっていくのです。

親が叱る・怒鳴る・注意することで一時的には良くても子供の成長にはデメリットだらけ

『叱る親』の子供のサッカーは一見すると上手くいっているように見える場合もあります。

ジュニア年代では特にデメリットの存在に気づきにくいのです。

これが根深い問題で、みなさんも所属のジュニアチームで活躍している子供の親が厳しいパターンなどよくあるのではないでしょうか。

そんな中自分の子はどんどん消極的になっていくとなると自分も同じように怒鳴るしかなくなっていく、、、、、、、

そしてその問題は一時的には解決します。

言われたとおり一生懸命走り、ボールを追いかける。

勝つ試合も増えるでしょう。

しかしこれは長く続きません。

低い年代であれば、またはサッカーのレベルが低ければその『言われて動く』でうまくいきます。

ですが、少しレベルがあがるとこの事が足を引っ張ります。

消極的な子供に親が注意してしまうことで起きるデメリットは以下の通りです。

デメリット①:言ったことしかやらない

言われてプレーしているその子は、あくまで『言われたプレーをしている消極的な子』でしかありません。

『自分から進んで取り組む子』『積極的な子』に変貌したわけではありません。

「追え!」と言われれば追いかけますが、実際に奪いに行くか、味方のことを考えて制限をかけられるかはわかりません。

いずれにせよ積極的な子供風にするためにはその後も言い続けなければなりません。

デメリット②:やったふりをする

これは『アリバイプレー』なんて呼んだりもします。

タスクをこなしたアリバイを作るかのごとく、

追いかけるフリ、

ボールを奪いに行くフリ

果敢に仕掛けるフリ

ただ言われた仕事をこなすだけでは疲労感が募りますからね。

デメリット③:場に応じた判断ができない

①と近いかもしれませんが、応用が効かないとも言い換える事ができます。

相手が少し違うサッカーをしたらもうてんやわんやです。

何が起きているのか理解できず試合が終わっていくでしょう。

デメリット④:プレーに感情が乗らない

私はこれが一番の問題だと感じています。

「荒々しいプレーをするべきだ!」と言いたいわけではありません。

サッカーの本質は至ってシンプルなものです。

それなのにいくつもの課せられたタスクがそれを複雑にしてしまいます。

普通に考えればゴールを守るべきなのになぜか自分のポジションから頑なに離れない。

相手のプレッシャーもないのにゴール方向にターンせず、サイドチェンジをしてしまう。

パスを出せば一点なのに、強引にシュートを打ってしまう。

パスを出せばチャンスなのにドリブルで仕掛けてしまう。

例を上げればキリがありません。

これが「点を取られたくない!」や「点を取れるかもしれない!」という感情に忠実に動けばなんてことのない話です。

守備のセオリーなどはこの感情のおまけです。

「こうすれば楽にできるんだ!」という発見があれば、子供は教え込まなくても覚えます。

そしてこの『素直さ』は元々誰しもに備わっているものです。

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親はどうあるべきか

そもそも親にどうこうできる問題でないことを理解する

ここまで話してきて、これを言うのもいかがなものかと考えましたがこの理解がないと話が進みませんので、ご容赦ください。

親は親、子供は子供で全くの別人格です。

すべて分かっているつもりでもわかり得ない感情というものが誰しもあります。

夫婦でもそうではありませんか?

まずはその消極性をその子の特性として認識し、自分にはどうしようもないことだと理解しましょう。

その中で自分がどのような経験をさせてあげられるか、どのような発見に導けるかを考えてください。

そこがスタートラインです。

小さな成長を認めていく

親の無力さを認識したところで、まずは子供を発見に導いてあげましょう。

私なら1〜2年くらい見た子供に対して

「お!前よりも強く奪いに行けるようになったね!」

「自分からパスを呼べるようになったね!いいぞ!」

と少しづつ積極性に近づいていることに気づかせます。

ポイントは長い目で見て、嘘をつかないことです。

子供が「確かに前よりできるようになってる!」のようにハッとすることができれば大成功でしょう。

怖さを払拭する

これは以前から言っている、別競技をすることで得られる優位性のお話です。

親が子どもに与えるべき優位性 同じクラブのエースの子が受けている厳しいサッカー教育を見て、 「我が子も同じようにしなければ!」と考えたりしていませんか? ...

実際にその子が思うサッカーの怖さを払拭できるかわわかりませんが、サッカーでは身につかない別の強さが身につくはずです。

武道などをすると対人に対しても良い効果があるのではないでしょうか。

見識が広がるのもその子の人生にとって、メリットの一つです。

一緒に楽しくサッカーをする

最終的にはやはりこれですね。

消極的な子供はチーム練習でもボールタッチが少ない事が多いです。

いくら長い目で見て待つといってもボールに触らなければ上手になりません。

積極的になった時にそれまでの経験を活かせるようにある程度の技術を身につけておくことが望ましいです。

また、親子の良い関係を作るのにも役に立つのでおすすめです。

まとめ

子供を一人の人間として扱う。

そしてその中で、前を歩く一人の大人として発見に導いてあげる。

親としてたくさんの経験をさせてあげる。

あくまでサッカー以外も含めたその子の人生を考えてあげてください。

子供はまだまだ成長します。

今を気にしすぎず親のできる範囲のところで頑張りましょう。

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